はじめに
旬の野菜をおいしく食べる——それだけで、生活はより豊かになります。
野菜の旬がいつなのか、おいしく食べるための賢い選び方や、上手に保存するためのひと手間について、日本野菜ソムリエ協会認定の野菜ソムリエ・小宅祐子さんに教えてもらいました。
今回の野菜は、節約レシピでひっぱりだこの「もやし」。その見極め方をご紹介します。
もやしの旬はいつ?
もやしは肥料も太陽の光も必要とせず、設備の整った工場で、水のみで育ちます。よって明確な旬はないように思えます。しかし、生産者の方にお話を聞くと、もやしが発芽するのに最も生命力を感じるのは春だそう。
山菜やアスパラガスなどと同じく、もやしも芽吹く野菜。もやしは漢字で「萌やし」と書きます。萌えるとは「生える」や「芽吹く」を意味する言葉。
豆から発芽し、ぐんぐん伸びるそのパワーを顕著に感じられる春は、もやしの旬といえるのかもしれません。
おいしい「もやし」の選び方
もやしを選ぶとき、まずは色に注目しましょう。白く、変色していないものが新鮮です。
折れていたり、黒ずんでいるものは悪くなるのが早いので、ハリとツヤがあり、ピンと伸びているものを選んでください。特に根の部分から黒ずんでくるので、根の辺りの色をよく見て選びましょう。
また、先端に付いている葉や豆がしっかり閉じていて、広がっていないものが新鮮です。古くなってくると袋に水滴がついてきますので、水が出ていないかどうかも見極める際のポイントです。
鮮度劣化が早い? 賞味期限と効果的な保存方法
もやしは他の野菜とは違い、袋に消費期限が記載されていることがあります(表示義務はないので記載されていないものもありますが)。
記載されているものはその日付までに、記載されていないものは購入日から2~3日以内に食べることをおすすめします。もやしは、とにかく鮮度劣化が早いので、できれば食べるその日に購入しましょう。
保存する場合は、野菜室よりも温度の低い冷蔵室へ。水気が多いと悪くなりやすいので、使いかけのものは洗わずに袋の封を閉じ、使う直前に洗うとよいでしょう。