はじめに

「PayPay」「LINEペイ」「楽天ペイ」など、次から次に増え続けているバーコード決済。「20%還元」などのキャンペーンを機に使い始めた人も多いのではないでしょうか。

そんな中、24時間営業の見直しを求める声に揺れるセブン&アイ・ホールディングスが、独自のバーコード決済「7pay」を7月にリリースする予定と発表しました。4月4日に行われた決算説明会から、その背景を探ります。


利用者3000万人を目指す

「7payを3,000万人にダウンロードしてもらえるような野心的な計画を持って進めていきたい」。4日に都内で行われた決算説明会で、セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は壮大な計画を打ち出しました。

7payは銀行やクレジットカードからお金をチャージし、レジでスマートフォンを出すだけで会計ができるサービス。従来通り、nanacoポイント(200円で1ポイント)も貯まるといいます。

7月の導入直後は、すでに1,100万ダウンロードを超えている「セブン-イレブンアプリ」から登録できるようし、一気に利用者を増やす算段です。10月頃には送金や割り勘機能などを持ったアプリをリリースする予定です。

2020年春以降には、イトーヨーカドーや西武・そごう、ロフトなどグループ企業でも使えるようにしていく予定とのこと。同グループは、1日当たり2,200万人の来客があるという巨大小売りグループですから、乱立する電子マネーの中で大きな存在感を示しそうです。

中核の国内コンビニ事業は停滞

気合の入った7payの発表とは対照的に、この日のメインテーマである2018年度の決算発表では、井阪社長は難しい表情を見せました。

ホールディングス全体の営業利益は前期比5.1%増の4,115億円と過去最高をたたき出したものの、伸びをけん引したのは海外でのコンビニエンス事業。中核である国内コンビニエンス事業の営業利益は、前期比0.6%増の2,467億円と振るいませんでした。店舗数の拡大や人件費の高騰とともに、営業利益の伸びが鈍化してきているのです。

多い年には年間1,000店以上というペースで新規出店を続け、2018年には国内のセブン-イレブン店舗数が2万店を超えました。そのため都心部では、狭いエリアにセブンイレブンが何店舗もあるという場所も目立つようになりました。さらに人件費や地代などの経費の高騰も続き、営業利益率は1999年度の7%から2018年度には5%まで下がっています。

国内事業

セブン-イレブンは、銀行ATMの設置やセブンカフェ、お惣菜や冷凍食品など主婦層や高齢者に向けた商品開発など次々と新たな集客策を打ち出し、業界を牽引してきました。一方で、特定のエリアに集中的に出店し、商圏を作る「ドミナント戦略」で売り上げが下がる店も出ています。商品やサービスは格段に増えているにも関わらず、1店舗当たりの1日の売り上げは約65万円と、ここ数年は横ばいです。

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