はじめに
「ポイント投資」という言葉を聞いたことがありますか。現金ではなく、買い物などで貯まったポイントを使って投資ができるもので、近年続々とサービスが始まっています。
4月10日には、ネット証券最大手のSBI証券と、「Tポイント」を運営するCCCマーケティングが組み、Tポイントで少額から株が買える新会社「SBIネオモバイル証券」がサービスを開始しました。発表会見の中身から、その背景にある両社の思惑を探ります。
月額200円からのサブスク証券会社
「Tポイントをお客様の資産に変える」。SBIネオモバイル証券の小川裕之社長は、4月10日に都内で行われた発表会見でこう述べました。
Tポイントで株が買えるサービスは、これが初めての取り組み。一般的に国内株式は100株が最小の売買単位となっており、現物株を買おうと思うと最低でも数万円がかかります。しかし、ネオモバイル証券では1株単位で売買が可能。数百円分のポイントがあれば、好きな企業の株主になれるのです。ポイントが足りない分は、手持ちの資金を足すこともできます。
売買の際に必要な手数料は月額の「サービス利用料」という形を採用。最近、さまざまな業界で広がっているサブスクリプションサービスになっています。通常の株取引では売買ごとに手数料がかかるのが一般的なので、珍しい形です。
月間の売買代金に応じて月額のサービス利用料が発生
月間50万円までの売買であれば、何度取引をしても月額200円(税抜き)。売買金額が50万円超~300万円で同1,000円、300万円超~500万円で同3,000円。毎月200ポイントのTポイント(期間固定)が付与されるので、50万円までの少額の取引ならば、手数料は実質無料といえます。
サイトのデザインにも工夫を凝らしたといいます。通常の株取引サイトには、たくさんの数字やグラフが並びますが、ネオモバイル証券では初心者でも見やすく、3ステップで簡単に注文できるようにしました。
初心者にも使いやすいデザインにし、3ステップで注文可能
Tポイント側に蓄積された購買データも活用する方針で、ファミリー層にはファミリーレストランの優待券がもらえる株を、頻繁に旅行に行く人には航空券の優待がついた株といった形で提案する、レコメンド機能も開発中ということです。