はじめに
明日6月16日は「父の日」。「母の日」に比べて影が薄く、毎年どうしてもスルーされてしまいがちな日です。何を贈っていいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
しかし、肝心の父の日当日は、もうすぐそこまで迫っています。そこで、楽天市場のトレンドハンターである清水淳さんに、今からでも間に合う、今年の父の日のトレンド商品を教えてもらいました。
お父さんだってきれいになりたい
清水さんによると、今年のトレンドはなんといっても男性用の美容家電。特にひげやすね毛の脱毛器が売れ筋だそうです。今、巷でも男性の脱毛が流行しており、脱毛サロンに通う人も増え、男性専用のサロンも出てきました。
「男性用の美容家電は去年までマーケットにほとんどなかったが、今年は複数のメーカーが出しています。『ひげが濃い』と娘に嫌われるのは昔からのお父さんの悩みの1つで、贈れば喜ばれるはず」と清水さん。価格はさまざまですが、売れ筋は1万円台のものだといいます。
他にも、頭皮ブラシやアイマッサージャーなど、これまで女性向けとされていた美容家電・グッズが売れているといい、「きれいなお父さん」は大きな注目です。
お父さんにもっと家事をしてほしい
もう1つのトレンドがキッチン家電です。楽天市場の父の日特集では、2014年に比べ、2018年の売り上げが2.5倍に伸びました。男性も家事に参加するようになった時代背景があるようです。
同社は、60~70歳代の父親世代に「30年前に自分のお父さんが担っていた家事」と「今担っている家事」をアンケートしました。その結果、料理は6.5%から18.5%、食器洗いは3.2%から36.5%、部屋の掃除は8.6%から41%と大きく伸びました。
そのほか、洗濯やゴミ出しなどをやっている人も増加。「家事はしていない」という人は、75.8%から18.5%と激減し、全体の2割以下になりました。
楽天市場が行った父親の家事についてのアンケート
日本では男性の家事時間がまだまだ少ないと言われますが、お父さんも多少は家事をし始めたということでしょう。そのため、かつては父の日ギフトの選択肢になかったキッチン用品や掃除、洗濯の便利グッズが増えているというのです。
清水さんは「『家事メン』が良しとされる時代の流れで、お父さんにもっと家事やってほしいという期待を込めて、家族がキッチン家電などを贈っています」と解説します。ほかに、洗剤などの洗濯グッズ、エプロンなども選ばれています。
特にギフトとして喜ばれるのが、Aladdin(アラジン)やBRUNO(ブルーノ)のスタイリッシュで、ちょっと高級なトースター。2018年の父の日市場でのトースターの売り上げは、2年前に比べて14倍に増えました。
パン派のお父さんにはトースターも人気
また、テーブルで調理しながら食べられるホットプレートやグリル、フライヤーも人気で、こちらも3年で売り上げが22倍と急増。炊飯器や圧力鍋を贈る人も多いそうです。
トレンドを強く反映する傾向
ほかに、シルバー世代のお父さんには、健康グッズとしてスマートウォッチも人気で、前年比9倍の売れ行き。日々の歩数や睡眠時間、心拍数などが記録でき、健康管理に役立てる人が多いそうです。価格も数千円台からと手軽に買えるようになり、スマートフォンにアプリを入れれば簡単に使えるなどの理由から火がつきました。
また、去年の猛暑の影響で、手持ちやデスクに置く用の小さな扇風機や、男性用の日傘、サングラスなど、暑さ対策グッズを贈る人が増えているのも今年の特徴。中でも、男性用日傘は、2016年に比べて売り上げが2倍に伸びました。今年は街中「日傘お父さん」を見かけることが増えるのかもしれません。
昨年までは育毛シャンプーや、CMで話題の拡大鏡なども売れ筋でしたが、今年は勢いがないそうです。清水さんは「花を贈ることが定番の母の日の比べ、その年のトレンドを強く反映する傾向があります。送り手に女性が多いことが背景にあるのでは」と分析します。
毎年、自宅に送られてくる母の日のカーネーションに、少しジェラシーを感じているお父さんも多いかもしれません。何を贈ってよいのかわからないという方は、流行りや時流を意識したものを贈れば、お父さんのミーハー心をくすぐりそうです。