はじめに
関東地方の例年の梅雨明けは7月21日頃。もう少し雨のシーズンは続きそうです。とはいえ、7月は夏本番に向け、気温も少しずつ高くなっていきます。
暑くなってくると食べたくなるのが、アイスクリームやシャーベット。午後のおやつにアイスが食べたくなったり、夕食後にシャーベットを食べる人も増えてきます。
ところで、このアイス。景気や株価と意外な関係があるようです。今回は「アイスを食べる人が多い夏は株価が上がるメカニズム」を解説したいと思います。
7月のアイス平均購入額は1260円
総務省統計局の家計調査では、「アイスクリーム・シャーベット」(以下、アイス)について、1世帯当たりの月別支出金額が公表されています。
毎年7月を2018年までの過去10年で平均すると、1,260円となりました。1家族で見ると、7月は平均してアイス代に1,260円をかける計算です。
実は8月が最も多く1,350円となり、7月は第2位の月。やはり夏本番、最も暑い盛りにアイスもよく食べられるということです。
今回は、この“7月”にどれだけアイス代をかけたかのデータを使って、同じ7月の株価との関係を見ることにしました。やはり、多くの人に食べられる時期のモノは、世の中へのインパクトが大きくなるため、株価との関係も強いようです。
アイスが売れると●●消費も増大
まずは家計調査のデータから、2004年以降で毎年7月のアイスへの家計の支出を取り出します。一方、株価は同じ7月の騰落がどのくらいかを観察します。
グラフからは、おおむね連動した推移が見られます。7月にアイスを食べる人が増えてアイス代が高い年は、7月の株価も高いということです。
ちょっと考えてみれば、それはそうだろうと思う人も多いでしょう。
夏が暑くなれば、アイスを食べたくなる人も増えるもの。そして暑い夏には、アイスだけでなく、清涼飲料水やビールも売れるようになったり、エアコンの需要も膨らんだりします。夏が暑いと人々の消費が進むため、その効果が景気を押し上げます。
特に、こうした消費に関連する会社の株価が、株式市場を牽引していきます。実際に昨年の7月の執筆記事で、夏の気温と株価の関係を取り上げました。確かに、夏が暑いほうが株価は高くなる傾向がありました。
つまり、「アイス代が増える→夏が暑いから→夏物消費が進む→景気が良くて株価も高い」という関係があるわけです。