はじめに
季節を問わず、スーパーの店頭に並ぶキウイフルーツ。
ふたつに切ってスプーンで食べたり、スムージーに入れたり、手軽に食べられて、ビタミン豊富な万能フルーツです。
日本人の果物消費量が年々減少するなか、キウイフルーツの消費量は大きく伸びているといいます。
10年で消費量は1.6倍
総務省の家計調査によると、果物消費量は10年前に比べて24%減少。日本人の果物離れが進んでいます。
そんななか消費量を伸ばしているのが、キウイフルーツです。
キウイの消費量は10年前に比べて1.6倍に増加。輸入量は年々増え、2012年からの5年間で1.4倍に増加し、2017年度は過去最高になる見通しです。
輸入と国産が補完し合い、安定供給が可能に
国内に流通するキウイフルーツの7割がニュージーランド産で、そのほぼすべてを扱うゼスプリインターナショナルジャパンのPRマネージャー栗田さんに、キウイフルーツの消費が伸びている理由について聞きました。
「健康志向が追い風になり、キウイフルーツの栄養価が注目されたことが一因といえます。“体にいい”ということがリピート購入の大きなきっかけになっているようです」と栗田さん。
ビタミンCをはじめとして豊富な栄養があるキウイフルーツ。栄養面のアドバンテージとともに、安定して提供されていることも消費の拡大に寄与しているようです。
東京税関によると、例年4月から11月にキウイフルーツの輸入が集中。国産は冬場に収穫シーズンを迎えるため12月から1月に流通します。日本とニュージーランドではちょうど季節が真逆になり、収穫時期がずれるため輸入と国産が補完し合い、一年を通して安定した供給が可能になるそうです。
消費を後押しする、サンゴールドキウイ
そして、消費拡大の後押しをしているのが黄色い果肉のサンゴールドキウイだと、栗田さんは話します。
「定番のグリーンキウイに加え、ジューシーな甘さが魅力のサンゴールドキウイが日本人に受け入れられ、さらに消費を底上げしているようです」
同社は新品種を市場に出すために、ニュージーランドの政府研究機関と協働し、毎年1万もの交配プログラムを実行し、品種開発を行っているそう。
そうしたなかで、開発開始から10年以上の歳月を経て誕生したのがサンゴールドキウイです。たった1個で一日に必要なビタミンCを摂ることができ、近年、需要が大きく伸び、2017年の販売量は前年に比べ2割も増えているといいます。
「美味しさや、消費者が食べ頃と感じる最適な適食期間、生産性の向上を目的として開発され、保存性や耐病性にも優れていることから、世界中で受け入れられ、ゼスプリを代表する品種に成長しています」と栗田さん。
豊富な栄養素や、手軽さ、安定した供給で、キウイフルーツが私たちの食卓に欠かせない身近なフルーツとして躍り出ています。
(文:編集部 土屋舞)