はじめに

積立が難しいときに取れる現実的な対策

「続けたいけど、今はどうしても家計が苦しい……」そんなときは、解約ではなく、制度の中で取ることができる“柔軟な対応策”を検討してみましょう。

1. 掛金の減額
iDeCoの掛金は、月5,000円からスタートできます。1万円積み立てをしていた人が、家計の状況に応じて5,000円に下げるだけでも、負担は大きく変わります。

手続き方法としては、加入している金融機関に申請書を提出するだけです。1〜2ヶ月程度で反映されます。「ちょっと厳しいな」と思ったら、まずは減額から検討してみてください。

2. 掛金の停止(運用指図者への変更)
積立そのものを一時的にストップしたい場合は、「運用指図者」への変更が可能です。これは、新たな積立はやめて、これまで積み立てた資産の運用だけを続ける方法です。

金融機関に「加入者資格喪失届」を提出すれば、変更手続きが可能です。育児休業や転職など、ライフイベントによって、一時的に収入が減るタイミングでは、この選択が現実的かもしれません。

3. FPなどの専門家に相談する
「本当にこのまま続けるべき?」「他にもっといい方法はないのだろうか?」そんな迷いがあるときは、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することもおすすめです。減額や掛け金を止める方法をお伝えしましたが、安易にその方法をとったことで、老後の資金が足りなくなってしまった、なんてことも起きるかもしれません。

FPに家計相談やライフプラン作成をしてもらうことで、老後に向けての現実的な計画を練ることができるようになります。

iDeCoは「やめられない制度」ではなく、「支えてくれる制度」

iDeCoの設計は、「途中で引き出せないこと」をあえて制度に組み込んでいます。それは、将来の自分を守るための「仕掛け」でもあります。

たしかに、今の家計を守ることも大切ですが、「今すべてを使い切らないために、未来の自分にお金を残す」考え方も、これからの人生を支えてくれる大きな力となります。無理をして続ける必要はありません。

しかし、「減らしてでも続ける」「一度止めて、また始める」という選択肢を知っていることで、将来に希望を持ち続けることができるのではないでしょうか。

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