はじめに

資料に“書かれていないこと”も読む

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穿った見方かもしれませんが、「決算説明資料」では書いていないことに注目してみるのも良いでしょう。

例えば、成長戦略ページが極端に少なかったり、減らされている場合は、事業の伸びしろが不足している、当面は現状維持というサインかもしれません。成熟した製造業などに、よくあるケースです。市場環境の話ばかりであれば、外部環境のせいにしたいのかな? ということも。自社の言及が薄いことは業績悪化の伏線の可能性があります。

株式を保有することは、その会社の一部を所有し、共同オーナーになるということと同義です。経営陣の想いに共感できるかもチェックしてみてください。読みやすい・好感が持てるという直観も、企業の姿勢との相性を見るうえで重要なポイントです。

「決算説明資料」だけじゃない!注目すべきIR資料

開示されている場合は、その他の重要IR資料として「中期経営計画」「決算短信」「有価証券報告書」「株主通信」も見ておきましょう。

中期経営計画

3年〜5年先を見据えた、企業の成長戦略を語る資料です。ビジョンや目標が数値として提示されており、「どこに向かおうとしているのか」が読み取れます。目標の実現性や整合性、具体的なアクションプラン、進捗状況をチェックしましょう。

決算短信

決算発表当日に出される速報資料で、売上や利益の変化、セグメント別の業績などがコンパクトにまとまっています。定量面をコンパクトに把握するのに有効です。

有価証券報告書

年に1回提出される詳細な法定開示資料で、財務構造、事業リスク、役員構成などが網羅されています。やや専門的ですが、深い企業理解に欠かせません。

株主通信

企業が株主に対して発行するIR資料で、IR初心者にとってはとっつきやすい資料です。郵送される冊子や、ウェブサイト、株主総会資料として提供されます。経営陣のメッセージや、会社の取り組みがわかりやすく紹介されています。

IRを定点観測していると、同じ会社であっても年ごと、四半期ごとに語り口が変わっていくことに気づくはずですし、それがあなたの投資家としての経験値になっていくと思います。この記事が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。

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