はじめに
「保険には入っているから大丈夫」――そのように考え、保険を掛け続けている方が多いのではないでしょうか。
しかし、実際にエンディングノートを書いていただくセミナーでは、加入している保険を一覧にして書き出した時、「加入した経緯がわからない」「こんなに保障が必要なのかだろうか」と戸惑う声を多く耳にします。
毎月保険料はきちんと払っているから安心。けれど、その保障内容までしっかり把握している方は意外と多くありません。
エンディングノートは、もしもの時の備えを整理するためのものですが、同時に「今の自分に本当に必要な保障は何か」を見直すきっかけにもなります。
なぜ保険はわからなくなるのか
保険がわからなくなる理由のひとつは、「継ぎ足し」にあります。結婚、出産、住宅購入など、人生の節目ごとに必要だと思う保障を追加していくうちに、全体像が見えなくなってしまうのです。
「とりあえず足しておけば安心」という考えは自然なものですが、その結果、以下のような状態になってしまうことも少なくありません。
・同じような保障が重複している
・本当に必要な保障が抜けている
・目的があいまいなまま保険料だけ払い続けている
書き出して見えてくる課題
エンディングノートに保険を書き出すことで、いろいろな課題が見えてきます。自動車保険や火災保険などの損害保険は、自動車や建物といった「モノ」に対して保険をかけるため、重複加入が起こりにくく、比較的整理しやすい保険です。保険会社名や担当者、保険金額なども一覧化しやすいでしょう。
一方、死亡保険や医療保険、収入保障保険、介護保険、個人年金保険などの生命保険は、「人」に対して備える保険です。そのため、ライフステージの変化に合わせて保障を追加しやすく、気づかないうちに複数加入していることがあります。
例えば、成人した時に死亡保険と医療保険に加入し、その後、結婚や出産を機に保障を追加するケースがあります。また、医療保険は入っていたけれど、がんのリスクが非常に気になり、新たにがん保険を追加する場合もあるでしょう。
こうした内容をエンディングノートの「保険加入状況」に書き出してみると、今の自分に本当に必要な保障か備わっているかが見えてきます。同時に、必要な保障が不足していることに気づくこともあります。
実際にセミナーへ参加されたある方も、「ちゃんと入っているはずなのに、書きだしてみたら自分でもよくわからなくなりました」と話されていました。
内容を整理してみると、これまでに2回保障を追加されており、死亡保障は一見十分に見えました。しかし一方で、がんや三大疾病の一時金は準備されておらず、医療保障も入院日額のみ。働けなくなった場合の保障もありませんでした。
さらに確認すると、60歳以降は死亡保障が大きく減少し、万一の際に受け取れる金額は100万円にも満たない内容でした。お子さまはすでに独立されており、大きな死亡保障は不要な時期に入っていましたが、その一方で、老後資金の準備になる積立や介護の保障がないことに、不安を感じていました。
実は、このような状態は決して珍しいことではありません。