はじめに

2018年1月からファミリーマートのATMでゆうちょ銀行の口座から現金を引き出す際の手数料が原則無料になる。これはゆうちょ銀行の親会社である日本郵政グループがファミマと幅広い分野で提携すると発表した第一弾の新サービスになる。日本郵政とファミマの提携でコンビニ競争はどう変わるのだろうか?


ゆうちょ銀行との提携で高齢者がファミマに集まる?

ゆうちょ銀行をメインバンクで使っている人には朗報だ。来年1月からファミマのATM手数料が無料になる。郵便局が近所にない人もファミマなら近所にあることが多いだろう。

一方でセブンイレブンやローソンのATMから引き出すと手数料がかかるので、ゆうちょ銀行の利用者が一時的に混乱するかもしれない。

「ゆうちょ銀行の手数料が無料になるのはファミマだけ」

というメッセージがきちんと伝わって、そのような消費者の混乱がなくなればどうなるだろう?

ゆうちょ銀行には大きな特徴がある。メインの利用者に高齢者が多いのだ。3,000円、5,000円と生活資金を小刻みに引き出す度にファミマを訪れるようになれば、そういった高齢者がメインで使うコンビニがセブンイレブンやローソンからファミマにスイッチする可能性がある。ここがまずファミマがゆうちょ銀行と提携する最初の着眼点になる。

攻略ターゲットはセブンイレブンの惣菜の強み

コンビニ3強の競争の構図の中でセブンイレブンが抜きんでている要因が3つある。店舗数が多いこと、セブンプレミアムに代表される惣菜などの食品が強いこと、そしてセブン銀行のATMが大きな収益をあげていることだ。

ファミマはサークルKサンクスと経営統合することでまず店舗数を同じレベルに引き上げた。そのうえで今回のATM無料化で高齢者を引きつける狙いは、セブンプレミアムの追撃である。

セブンイレブンは実は高齢者に強い。セブンプレミアムが販売する一人前の惣菜パッケージがあれだけ充実しているのは、ひとり暮らしの高齢者層が固定客となってセブンイレブンの惣菜やおにぎりなどを自宅で食べる夕食に便利に使っているからだ。

基本的には美味しいことが強みになっているセブンプレミアムだから、この優位が簡単にひっくりかえることはないが、一定数の高齢者が今回の提携でセブンの惣菜からファミマにスイッチを起こすだろう。

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