はじめに

横浜高速鉄道のみなとみらい駅を国際大通り口から上がってすぐ。オフィスビルの1階に、その店舗はありました。2017年に日本に上陸した、米ロサンゼルス(LA)発の黒船バーガー「UMAMI BURGER(ウマミバーガー)」のみなとみらい店です。

米タイム誌の「史上最も影響力のあるバーガー」に選ばれ、日本1号店の青山店が開業した時には長蛇の列ができました。そんな人気店の2店舗目が9月22日にオープンする、このみなとみらい店というわけです。

ただ、1号店の開業から費やした時間は1年半。近い時期に日本に上陸したシェイクシャック(10店舗)、カールスジュニア(3店舗)に比べると、ややゆっくりした出店ペースにも思えます。その背景には、どんな事情があるのでしょうか。


新スタイルの限定バーガーを提供

9月20日に開かれた、ウマミバーガーみなとみらい店の内覧会。店内に入ると、まず目に入るのが、スタンドバーのようなレジカウンター。座席には広場に面した窓から陽光が降り注ぎ、ポップさとゴージャスさが適度に織り交ざった内装は西海岸らしい雰囲気を漂わせています。

ウマミバーガーは2009年にLAで1号店がオープン。現在は5つの州で20店舗超を展開しています。「ウマミ」は日本語の「うま味」に由来しており、食材のうま味を最大限引き出す調理法を施している点に特徴があります。

もう1つの特徴的なのが、1つの店舗に1つ以上の限定メニューを用意している点。みなとみらい店では、THE DIP(ザ・ディップ)というオリジナルメニューが提供されます。


みなとみらい店限定メニューの「THE DIP」(税抜き1,580円)

これはバンズの間に2枚パティのほか、チェダーチーズ、マッシュルーム、オニオンを挟んだ食べ応え十分なハンバーガー。この商品のために作ったオリジナルソースにディップして食べるスタイルです。

みなとみらい店は、周辺に多くのオフィスやマンションが立ち並んでいます。こうした周辺環境を踏まえて、「Uber EATS(ウーバーイーツ)」を活用したデリバリーやテイクアウトも強化していきたい意向です。

なぜ1年半後に横浜だったのか

2020年までに日本国内で10店舗の展開を目指しているウマミバーガー。単純計算で、年間に2~3店の出店が必要になります。

しかし、1店舗目の青山店のオープンが2017年3月で、2店舗目となるみなとみらい店の開業が2018年9月。1年半のブランクがあったことになるので、当初の計画よりも進捗が遅れているのではないかと懸念されます。

この点について日本法人の海保達洋代表に聞くと、「本当は1年に2店舗を出すつもりでした」と、出店ペースの遅れをあっさりと認めました。その理由としては「1号店の出店時点で、ウマミバーガーが十分に認知されているわけではありませんでした。なので、まずは1号店で実績を積んでから、2号店について検討しようと考えました」。

海保代表によると、空き店舗が見つかってから賃貸契約がまとまり、最終的に開業するまで、おおよそ1年半がかかるといいます。オープン直後から大人気となった青山店の状況を確認し、すぐに2号店を探し始めましたが、みなとみらい店がオープンできたのは結局1年半後だった、というのが実情のようです。

では、なぜ横浜だったのか。この点については、いくつかの要因が複合的に絡んでいます。

まず、食材調達などオペレーションを考えると、1号店と離れていない関東である必要がありました。当初は銀座や広尾なども候補に挙がったそうですが、それだと青山店に近すぎます。それなら、どこがいいのか。発祥の地であるLAにならって、海に近いところはどうか。こうした経過をたどり、今回のみなとみらい店の場所が決まったといいます。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介