はじめに

個人で事業を行っている人は、1月から12月の1年間の収支を元に、翌年3月15日までに確定申告を行うことになります。

結婚や出産を機に仕事を離れ、子育てがひと段落ついた頃に起業する主婦の方が最近増えてきています。子供がまだ小さくて保活の状況も厳しく、起業を選ぶママ起業の方も多いですね。確定申告に向けて、クラウド会計ソフトを利用してご自身で帳簿をつけている方もいらっしゃるのでは、と思います。

小さく扶養内から始められる主婦起業。1年間の収支が見えてくる今、気になる扶養との関係について解説したいと思います。


夫の会社が加入している健康保険は?

夫自身が個人事業主をしている、もしくは個人事業主の下で働いている場合、国民健康保険に加入されている方が多いかもしれません。この場合は「扶養」という考え方がないため、妻に収入がなくても「均等割(介護保険がない場合、年間で4~5万円ほど)」という一定金額を支払う必要があります。

そして主婦起業で利益が出れば、その分「所得割(利益に応じて負担額が決まります)」が増えることになります。妻の分の均等割と所得割もまとめて、世帯主(今回の記事では夫)が家族全員分の保険料をおさめることになります。

次に、夫が会社勤めで主婦起業をしているという方は、これから解説する健康保険の「扶養」について知っておくと、いつ、どんなタイミングで扶養を外れるのかがわかります。健康保険証を見ると、加入している健康保険組合の名前や電話番号が記載されているはずです。

CHECK::夫が加入している健康保険組合によって、扶養に入れるかどうかの基準が微妙に違うことがあるので注意が必要です。

もっとも厳しい「開業届」基準

起業女性にとって、一番厳しいのが「開業届を出したら扶養をはずれる」というものです。これは税務署等に提出する「開業届」をさしており、事業を始める=ある程度生活できるくらいの収入を稼ぐ予定である、と解釈されているのでしょう。ただ、開業届を提出する際の基準は特に決められていません。そのため、ある程度収入のめどが立ってから開業届を提出する方もいれば、起業初期につきものの(?)赤字を繰り越しできる「青色申告」を行うために開業届を提出する方もいます。

開業届を出すだけで扶養をはずれてしまう場合には、最低でも年間4~5万円の健康保険料を支払わなければなりません。夫に収入があるため、健康保険の「均等割」が課されるためです。この場合には、青色申告で節税できる金額とどちらがお得なのか、検討してみる必要がありそうです。

たとえば起業初年度に10万円の赤字が出た場合、翌年200万円の利益が出ると、初年度青色申告による節税額は住民税とあわせて1万5千円ほど。翌年500万円の利益が出ると、節税額は3万円ほどになります。この場合で考えると、起業1年目は開業届を出さない方がお得になりそうですね。もちろん赤字の金額や翌年以降の利益金額によって節税額は変わってきますので、詳しくは専門家にお尋ねください。

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