はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

教育費を上手に貯めることができず、子どもの進学に合わせて教育ローンを借りています。自動車ローンと合わせると、毎月の返済が負担となり、家計に重くのしかかります。子ども達が育った後は、自分たちの老後資金を用意しなくてはいけません。お金の管理方法や家計の中で削減できるポイントがあれば教えてください。


〈相談者プロフィール〉
・男性、51歳、既婚(妻:47歳・パート)、子ども3人(大学生・高校生・中学生)
・職業:会社員
・手取り月収:61万円
 夫:55万円
 妻:6万円
・手取り年間ボーナス:夫100万円
・預貯金:100万円
・借入:住宅ローン1,350万円、教育ローン300万円、自動車ローン150万円
・資産運用は特にしていない 


【家計の内訳(約63万円)】
・住宅費:8万円(持ち家、ローン残期間15年)
・保険:3万円(夫:2.5万円、妻:0.5万円)
・教育費:12万円(ローン返済と毎月の教育費)
・通信費:1.5万円(携帯×3、自宅回線など)
・自動車:7万円(2台ローン、駐車場、保険など)
・食費:12万円(自炊は月の半分程、外食も多い)
・水道光熱費:3万円
・日用品:3万円
・趣味・娯楽費:2万円(ペットのエサ代など)
・衣服・美容費:1万円+年間30万円程
・健康・医療費:2万円(歯科通院代など) 
・交通費:4万円(定期代、電車代など)
・交際費:1.5万円(妻や子供の分)
・その他:3万円


FP: ご相談ありがとうございます。mirai talkのファイナンシャルプランナーの秋山です。ローンの返済をしながら、家計をやりくりして、老後資金を貯めたいということですね。

現状では預貯金が十分になく、ローンに頼りがちな生活になっているようです。お金の管理方法や削減ポイントというよりは、「お金の使い方」に対する考え方を変えていく必要がありそうですね。

まずは支出に優先順位をつける

各費目内にローンの支払額が含まれており、毎月の返済額がわかりませんが、家計への負担は大きそうですね。

まず、収入が一定の水準以上ある中で、まだ中学生と高校生というお子さんの教育費にローンを利用するというのは、今後のことも考えるとおすすめできません。収入の割に、計画的にお金を貯めることができなかったということなのでしょう。

今まで、1ヵ月の生活費の中で「何にいくら支払っているか」把握していたでしょうか。家計のやりくりそのものに問題がありそうです。

今の暮らしで大事な支出は何でしょうか。ローンの返済でしょうか。教育費をかけることでしょうか。良い車に乗ることでしょうか。何を優先するかにより、お金のかけ方は異なります。まずは、支出に優先順位をつけましょう。

次いで、優先度の低い支出も見つけておきましょう。優先順位の低い支出は、無駄遣いになっているケースが多いです。それを明らかにしていくことが大事です。

必要なことにお金を支払い、不必要なものにはお金を支払わないなど、メリハリをつけないとうまくバランスが取れないものです。すべてにお金をかけようと思うと、お金が足りなかったり、家計が赤字になったりして、貯蓄ができない原因になるのです。

青天井の教育費、どこまでかける?

教育ローンを利用しているということは、お子さんには人並みに学校に通わせたいと考えていらっしゃるように思います。教育費をいくらかけるのか、ご夫婦間でしっかり話し合いはできていますか。

貯蓄が十分にできない家計状況だと、学費が多くかかる私立校に通わせるよりも公立校に通わせるなど、お金のかからない進学プランを選ぶことがほとんどです。そうではなく、ローンを利用してまで私立校に通わせるということは、学習・学校に対する強いこだわりがあるのか、家計に対してまったく無計画かというところだと思います。

今のままでは、大学資金が足りなくなる可能性があります。お子さん自身が奨学金を借りる方法もありますが、ご両親の年収が一定以上ある場合は、日本学生支援機構の貸与基準に当てはまらない可能性があります。また、教育ローンを再度利用するという手段もありますが、今以上に借金を増やすことは、自分たちの老後資金にも大きく影響するため、避けた方が良いでしょう。

「お子さんにどこまで教育費をかけるのか」「どこまでの学費の面倒をご両親がみるのか」お子さんも交えてしっかりと話し合いをしましょう。

「ローンを組んで当たり前」はNG

ご相談者さんのご家庭はローン返済がなければ、十分にお金を貯めることができたと思います。おそらく、「高い買い物はローンで」というような感覚が、貯蓄がうまくできなかった原因の一つではないでしょうか。

自動車購入費用も、お金を貯めて頭金を入れる、もしくは全額キャッシュで購入するというような考え方があってもよいと思います。ローンを返済しながらなんとか家計をやりくりしている状況では、今後さらに金銭面で行き詰まり、破綻してしまうでしょう。

それを避けるためには、ローンはできるだけ利用しないことです。自動車ローンを払いきった後は、ローンを組んで買い替えなどはせずにずっと乗り続けるなど、一度ローンがない暮らしを体験してみてほしいと思います。金銭的に非常に楽だと感じると思います。

ローンや借金が当たり前というのは、あまり良い発想ではありません。「これ以上のローンを組まず、今のローンを早急に返すこと」が、老後資金を上手に作っていく第一の方法だと思います。

mirai talkはマネーフォワードから生まれた公平で安心できるお金の相談窓口です。新宿駅から徒歩約5分。本気で家計を変えたい人のための「貯まる家計養成プログラム」を提供しています。

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