はじめに

安倍内閣が、先の国会で最重要課題として関連法案を成立させた「働き方改革」は、企業全体が本気になって改革に参加し、今までの仕事の仕組みを変えていかなければならないものです。

それらを実際に変えていくためには、企画立案や実施検証など皆の同意と気力、さらには時間と体力が必要です。

しかし、私が20年間、企業のメンタルヘルスケアや組織開発のコンサルをしている中で、「目の前の仕事をただこなすのみの自分に、改革の余裕などない」「組織の機能不全を見て見ぬふりをしている人々の心をそう簡単に変えられない」など否定的な声を耳にしてきたのも事実です。

そこで、働き方改革の前にすることとして、提案したいのが「遊び方改革」です。


遊び方改革とは何か

車のハンドルにも遊びが必要なように、人間にも遊びが必要です。もちろん、機械と違い人間は生身ですから、体調の良い時もあれば悪い時もあり、様々な出来事により気分のアップダウンもあります。

そこで、仕事後の過ごし方や休日の過ごし方に遊びという要素を取り入れることで、身体や心をリフレッシュしたり、感性を取り戻したり、再び頑張ろうという気力やエネルギーを補充する事が出来ます。

しかし、現実には、仕事で疲れすぎていて休日には何の気力も起きないという人も多いことでしょう。そのような方たちにこそ、遊びの効果を発達心理学の中から紐解いてお伝えしたいと思い、心と身体の栄養補充を行ってもらおうとする改革を「遊び方改革」と名づけました。

なぜ遊び方改革が必要?

働き方改革は待ったなし。その理由として、人口減少による労働力不足と低い生産性があります。現在の日本は、国民一人当たりGDPは主要先進35か国中17位、アメリカの7割程度です(2016年)。

2030年には、働く年齢層が約800万人も減少すると予想されているため、政府は外国人・女性・シニアの活用をうたっています。しかし、職場環境を変えない限り、シニア活用やまして外国人、子育て中の女性が自分が働ける時間に合わせて働くなど到底ムリな話です。

これからは、仕事の切り分け、情報の共通化、新しいアイディアなど脳の発想を柔軟にして、職場で仕事をしっかりまわせる現場力が必要です。しかし、疲弊している現場のどこに力があるのでしょうか。疲れている身体を振りしぼってもアイディアなど出ません。

子どもが遊びを通して人間らしく、感性や競争心、想像力、人の気持ちを理解するなどの能力が育つように、遊べなくなってしまった大人には、今こそ遊び方改革が必要なのです。

遊び方改革初級者へのポイント

遊び方の話に入る前に、以下の方法で心身ともにリラックスし、遊びについてイメージしてみましょう。

Step1 お風呂に少し長く入り、身体を休め、ぼーっとする時間を作り、以前自分が楽しかったことや楽になったことを考える。
Step2 楽しいことリストをつくる。
Step3 予定に遊びプランを入れ、実行する。合う遊び、合わない遊びがあるため、自分に合うものをトライアンドエラーで探す。

これらを想像するだけでも、疲弊した身体と心をリラックスさせる効果が生まれますのでオススメです。

それでは、実際に遊び方とは何か、具体的な遊びをご紹介しましょう。遊び方にも種類があります。まず、集中する・完了する・楽しめる・効率を追及しない遊びを選ぶと、より体と心が楽になります。

具体的には、「感じる遊び」「競う遊び」「演じる遊び」「作る遊び」。これらは想像力やコミュニケーション力、表現力を刺激して、仕事でも良いアイディアが出やすくなり、脳の体操にもなります。

遊びチェックポイント
①集中できる 
②その日に完了するもの 
③楽しめる 
④効率を追求しない

この4つのポイントを全てクリアすると心が開放されます。

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