はじめに

真冬の北海道では「さっぽろ雪まつり」をはじめ、「あばしりオホーツク流氷まつり」や「知床流氷フェス」、「ダイヤモンドダストin KAWAYU」、「くしろ冬まつり」など、道内各地で雪や氷の祭典が数多く開催されます。厳しい寒さの中で開催される雪や氷の祭典は、ふだんとは異なる世界を見ることができる年に一度のチャンスであり、2月の北海道旅行は魅惑にあふれたものと言えます。

今回は道東の釧路駅と網走駅を結ぶ釧網本線にスポットを当て、釧路駅~標茶駅間を走るSL列車「SL冬の湿原号」および網走駅~知床斜里駅間を走る流氷観光列車「流氷物語号」を利用した列車旅をご紹介します。

なお、首都圏からは羽田空港~釧路空港/女満別空港~羽田空港の往復航空便、札幌駅からは札幌駅~釧路駅間の特急「スーパーおおぞら1号」/網走駅~札幌駅間の特急「オホーツク4号」を利用する周遊ルートの利用が便利です。


昔懐かしい汽笛が響くSL列車「SL冬の湿原号」

道東の冬の風物詩のひとつとなっているのが、白銀の釧路湿原の中を走るSL列車「SL冬の湿原号」です。釧路湿原の美しい雪景色をはじめ、阿寒連峰の山並みや丹頂鶴などを車窓に楽しむことができます。

JR北海道で唯一の動態保存機となるC11形171号機が、14系客車4両+43系客車(カフェカー)の5両編成を牽引して走ります。車内には昔懐かしいダルマストーブが設置され、2号車のカフェカーで販売するスルメを焼いて食べることができます。14系客車は大型テーブルを備えたボックス席で、駅弁や焼き立てのスルメを味わいながらグラスを傾けることができ、車内で雪見酒と洒落こむことができます。

釧路駅を発車した列車は釧路川を渡り、次の東釧路駅から釧網本線に入ると、釧路市の北側に広がる東西約17km、南北約36kmの広大な釧路湿原の中に分け入ります。細岡展望台の最寄り駅となる釧路湿原駅や丹頂鶴が飛来する茅沼駅などに停車し、終着の標茶駅まで約1時間30分の汽車旅を楽しむことができます。なお、全車両が普通車指定席ですので、事前にJRの主な駅のみどりの窓口や旅行センターなどで「指定席券」(おとな820円、こども410円)の購入が必要となります。

オホーツク海の流氷を車窓に映す「流氷物語号」

2月の道東エリアでは、オホーツク海に面した宗谷岬から知床岬にかけての広いエリアで流氷が接岸します。はじめは青い海の上に白い氷の塊が浮いているだけですが、次第に青い海が見えなくなり、白一色に埋め尽くされます。流氷の到来が早ければ1月から見ることができますので、網走港発着の網走流氷観光砕氷船「おーろら」や紋別港発着の砕氷船「ガリンコ号Ⅱ」に乗船すれば、海の上から流氷を眺めることができます。

また、釧網本線の車窓からもオホーツク海を埋め尽くす流氷が楽しめ、2月の流氷シーズンには網走駅~知床斜里駅間に流氷観光列車「流氷物語号」が1日2往復運転されます。網走駅発の下り列車はオホーツク海に一番近い駅として知られる北浜駅に10分間、知床斜里駅発の上り列車は道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」が併設された浜小清水駅に20分間停車しますので、ホームから間近に流氷を眺めたり、道の駅で地元の特産品などを買い求めたりできます。なお、列車は2両編成で全車普通車自由席です。

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