はじめに

2018年11月18日、品川・グランドプリンスホテル新高輪内の国際館パミールで開催されたイベント「お金のEXPO 2018」。本イベントでは、お金のプロが「お金が貯まる」「お金を増やせる」賢い方法や、お金に困らないための家計改善の方法、知っていると得をするお金の知識をお伝えしました。

当日開催されたセミナーの中から、本記事ではリズム株式会社顧問 MBA/MSFホルダー 巻口成憲氏によるセミナー「働きながら、効率的に賢く資産運用!不動産投資のリスクを徹底回避する3つの成功戦略」についてご紹介します。


不動産投資営業の最大の問題

巻口氏: 皆さん、こんにちは。リズム株式会社の巻口と申します。本日は「リノベーション」というキーワードを使って、不動産の投資の成功確率を高めるお話をさせていただきます。

リズムは2005年12月につくった設立12年の不動産会社です。私どもは中古不動産の新しいあり方をご提案する「REISM(リズム)」というブランドを展開しています。私自身はリズムには顧問という立場で参画しています。現在は、関連会社のリーウェイズという、人工知能をつくっている会社の代表をしています。

私自身は長い不動産投資のキャリアを誇るプロではありません。元は外資系のコンサルティングファームで、企業の経営戦略や経営診断のお手伝いを仕事にしていました。ですので、不動産経営における“勝つ戦略”の見つけ方について、他社にはない観点でお話しできるのではないか、と思っています。

不動産投資は何よりも「物件選び」が重要です。選び方次第で、不動産投資の成功確率は大きく左右されます。ところが、その物件選びが難しいというのが、日本の不動産のマーケットの問題です。

不動産マーケットの投資判断の材料、不動産投資営業マンの営業における武器は、「マイソク」と呼ばれる、表面利回りが書いてあるチラシです。ほかの武器は気合と根性です。表面利回りしか判断材料がないので、「私を信じてください。絶対損させませんから」と、気合と根性で押し切ってしまうのが、不動産投資営業の業界で最大の問題となっています。

表面利回りしかわからないということは、株式投資の世界に置き換えると「PER(株価収益率)しかわかりません」と言っているのと同じです。株式投資の世界はPBR(株価純資産倍率)や25日移動平均線、業績見通しを見たり、いろいろな指標を比較したりするじゃないですか。透明性が高いわけです。ところが、不動産投資の世界はPERに相当する表面利回りしかわかりません。

たとえば、表面利回りが同じ6%の物件があったとしても、そのあと家賃収入が安定するのか下落するのか、売却益が取れるのか取れないかによって、実際の全期間の投資パフォーマンスが違ってきます。つまり、どうやって優良な不動産を見つければいいのか、その賃料が妥当かどうかどうやって判断したらいいのか、という状況なのです。

でも、不動産業界はデータを持っていません。「レインズ」という業界標準データベースがありますが、データの登録が義務づけられていないので、誰も使いません。結果、過去のデータの蓄積がないので、みんなデータを分析することができない。これが、今の不動産業界の最大の問題点です。

では、どうすればいいのか。私たちの出した答えが「データがないなら、データを集めるしかない」でした。

実は2008年のリーマンショックの後から10年間、データを集め続けた結果、私が代表を務めているリーウェイズという会社には現在、6,000万件の不動産取引データが集積しています。これを分析するために人工知能をつくりました。「ディープラーニング(深層学習)」という技術を使い、膨大なビッグデータを解析させることによって、場所ごとの家賃下落率や、売却時のキャップレート(還元利回り)を分析できるようになりました。

当然、家賃の下落率や空室率が全然違うので、実際この物件に投資しようと思えば、表面利回りではなく、全期間の利回りがどれくらいかを考慮しなければいけません。なので、私たちは場所ごとにどう家賃が下落するかを全部解析しています。これがわかって初めて、物件の比較ができるようになるわけです。

ところが、このサービス、実は法人向けのサービスなんです。リズムは関連会社なので、同社のお客様に関してはプロ向けに使っているシステムのデータを無料でレポートにまとめてご提案させていただくことによって、いい物件を見つけやすいようなお手伝いをしています。

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