はじめに

言葉づかいや表現をめぐって生じる世代間のコミュニケーションギャップは、いつの時代も家庭や職場で話題になるテーマの1つです。

40~50代のミドル世代といえば、家庭では子どもとその祖父母の間にあたる世代、また職場では若手とベテラン社員の間に挟まれている世代であり、世代間のコミュニケーションの仲介役を担う場面もありそうです。

そこで今回は、文化庁が行った世論調査から若い世代の間で使われることの多い言葉や表現の使用状況に関するデータをご紹介します。


「ほぼほぼ完成している」を使うことがある人は27.3%

全国の16歳以上の男女3,579人を対象に文化庁が行った「国語に関する世論調査」によると、「①ほぼほぼ完成している」という表現を、自分も「使うことがある」と答えた人は回答者全体の27.3%となっています(図1)。

一方、「聞いたことはあるが使うことはない」と答えた人(41.2%)や「聞いたことがない」と答えた人(31.0%)はいずれもこの割合を上回り、回答者全体では「使うことがある」人の方が少数派となっています。

図1 次の言い方を聞いたことがあるか、使ったことがあるか(全体)

聞いた事がない 聞いたことはあるが 使うことはない 使うことがある 分からない
ほぼほぼ完成している 31.0 41.2 27.3 0.5
②開始の時期を後ろ倒しにする 42.5 44.5 12.3 0.8
③上から目線の言い方をされた 4.8 37.2 57.4 0.5
④彼とはタメ口で話をする 12.6 35.2 51.0 1.2
ガチで勝負をする 11.1 46.9 41.0 0.9
⑥自分の立ち位置を確認する 10.1 40.5 48.5 0.9

単位(%)
出典:文化庁『「平成29年度 国語に関する世論調査」の結果の概要』より作成

「上から目線」に比べ、「使うことがある」人は30ポイント以上も低い

この調査では「①ほぼほぼ完成している」のほか、「②開始の時期を後ろ倒しにする」「③上から目線の言い方をされた」「④彼とはタメ口で話をする」「⑤ガチで勝負をする」「⑥自分の立ち位置を確認する」といった表現の使用状況についてもたずねています。

このうち先にみた「①ほぼほぼ完成している」を「使うことがある」と答えた人の割合(27.3%)は2番目に低く、最も多かった「上から目線の言い方をされた」(57.4%)と比べた場合、30ポイント以上も低くなっています。

[PR]NISAやiDeCoの次は何やる?お金の専門家が教える、今実践すべきマネー対策をご紹介