はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は三澤恭子氏がお答えします。

毎月貯金した分だけ赤字になり、自転車操業が続いています。どうにか抜け出したいのですが、無理に節約しようとするとストレスでイライラしてしまいます。夫から毎月生活費をもらいますが、やりくりがうまくできずに足りなくなるので、土日の早朝のみパートに出ています。夫は年収650万円ほどで、夫自身の貯金はまったくありません。年2回のボーナスは、前妻の子の養育費、プレゼント費、年払いの車の税金・保険料・車検代にほとんど消えてしまいます。家賃、光熱費は夫が、スマホ代はそれぞれが支払っています。


〈相談者プロフィール〉
・女性、28歳、既婚(夫:42歳、会社員)、子供2人(4歳・2歳)
・職業:パート
・居住形態:賃貸
・手取り収入:18万円
16万円(夫から渡される生活費)+2万円(妻のパート代)
・毎月の支出目安:18万円
・貯金:300万円
・負債(奨学金など):78万円


【支出(22.4万円)の内訳】
・食費:5万円
・衣服・美容費:0.5万円
・医療費:0.4万円
・教育費:5万円(幼稚園代含む)
・車両費:1.2万円(ガソリン含む)
・通信費:1万円(妻のスマホ代)
・日用雑貨費:1万円
・その他:0.8円
・小遣い(妻):1.5万円
・奨学金返済:1.3万円
・保険料:0.5万円(夫:医療保険)
・貯金:4.2万円
※赤字になった貯金分を来月の生活費から補填


三澤: ご相談ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの三澤恭子です。元気に走り回るお子さんを追いかけ、家事に子育てに奮闘している相談者様の姿が浮かんできます。毎日毎日、がんばっていらっしゃいますね。

さて、家計のやりくりが上手くいかずストレスが溜まってしまうとのこと。問題点をみていきましょう。

貯蓄の前に夫婦の足並みをそろえて

「先取り貯蓄」をする思考をお持ちの相談者様はお金が貯まるタイプの方です。しかし、現在の手取り収入から4.2万円の貯蓄をするのは無理がありますね。自転車操業から抜け出したい気持ちはあるものの節約はイヤ。そうなると、貯蓄分の手取り収入を増やすか、今は無理せず貯蓄をしないという結論になってしまいます。

ご相談内容を拝見するに、「夫は家計のことを考えてくれない」ともとれます。ご主人は前妻の子の養育費を払い、プレゼントもする真面目で優しい方のようですが、貯蓄についてはどのように考えているのでしょうか。相談者様のお子さんも大きくなるにつれ、お金がかかっていきます。これからどのような人生を歩んでいきたいのか、一度ご夫婦でゆっくりと話し合ってみてください。その上で、何のためにいくら貯めるのか「目的」と「目標」を決めてみてはどうでしょう。
 
例えば、「10年で500万円を貯める」というゴールを決めたとします。目的は子供に留学したいと言われた時にその夢を叶えてあげるため。そのためには、4.2万円の貯蓄をすることが目標となるわけです。ご夫婦で目的を共有してから貯蓄をスタートしても遅くはありませんよ。

家計収支を整理してモチベーションを上げる

まず、ご主人の収支を整理しましょう。年収650万円(うちボーナスは給料の4ヵ月分と仮定)の8割、520万円を手取りとすると、1ヵ月あたりの手取り収入は32.5万円となります。ここから妻に生活費として16万円を渡し、残りはご主人が管理、家賃等やスマホ代を支払った残りは何に使っているのでしょう。

また、ボーナスからのプレゼント費もいくら使っているのか知りたいところです。今、必要な支出かどうか、ご夫婦で確認し合い家計全体でいくら貯蓄にまわせるのか大枠をつかみましょう。ご主人のお金の使い道が家族の喜びになると実感できれば、相談者様のモチベーションも上がり、ストレスなく節約に励めるのではないでしょうか。

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