はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横田健一氏がお答えします。

妻が育休から明けて経済的な余裕がでてきましたが、家計に占める固定費の割合が大きいと感じています。現在、収入と支出の差額分は貯金していますが、これを将来に向けて投資に回すべきか悩んでいます。また、現在加入している貯蓄型の保険(夫)に関しては、3年前に入ったため利率も低く、他の投資に切り替えるべきかも悩んでいます(掛け捨ては夫死亡時の収入保障保険)。保険の見直しの必要性と、投資の両面でアドバイスをいただければと思います。また、子供がもう1人欲しく、授かることができれば妻は3年間休職する予定です。


〈相談者プロフィール〉
・男性、46歳、既婚(妻:40歳・教師)、子供(3歳)
・職業:会社員
・住居形態:持ち家(戸建て)
・手取りの世帯月収:88万円
  夫:45万円、妻:30万円
  太陽光発電:6万円
  賃貸不動産:7万円(完済)
・手取りの年間ボーナス:260万円
(夫:160万円、妻:100万円)
・毎月の支出目安:70万円
・貯金額:650万円
・投資:2570万円
  持株会1300万円(年3%)
  不動産1200万円
  国内株式70万円
・負債(住宅ローンなど):3750万円
※住宅ローンは、住宅ローン減税が切れた時点で全額繰上げ返済を考えています。


【固定費の内訳】
<毎月かかる固定費>
・住宅ローン:10.5万円(固定・残32年)
・幼稚園:5.6万円
・医療保険:1.5万円
・生命保険:6.3万円(夫:貯蓄型3万円、掛け捨て0.6万円、妻:2.7万円)
・通信費:1.5万円(携帯3台、自宅回線)


<年間でかかる固定費>
・学資保険:年16万円
・帰省費用:年20万円
・団信:年13万円
・税金:年20万円


横田: ご相談頂きましてありがとうございます。株式会社ウェルスペントのファイナンシャル・プランナー、横田健一です。

今回は「保険の見直しと、将来に向けた投資をどのくらい行っていくべきか」といったご相談ですね。第一印象としては、貯蓄体質の健全な収支状況になっている方とお見受けいたします。

家計の収支状況と資産の推移を確認する

まず、家計の収支状況を確認させていただきます。収入は、手取りの世帯月収が88万円、それにボーナスが年間260万円ですね。一方、支出は、毎月70万円ということですので、年間の収支は、以下になっているかと思います。

88万円×12+260万円-70万円×12=476万円(黒字)

今後のライフイベント(第2子のご出産など)や、教育費のかかるタイミングなどをいったん割愛して、今後20年間の収支をグラフにすると以下のようになります。

ご相談者様、奥様ともに65歳まで現在の収入水準が続くと仮定して計算させていただいています。さらに、この年間収支を前提として、資産の状況をグラフにすると、以下のようになります。

こちらは、企業が作成する貸借対照表(いわゆるバランスシート)の家庭版とも言えるものを表しています。棒グラフの上側に出ているのが、貯金額、持株会、不動産、国内株式、ご自宅といった資産になります。一方、棒グラフの下側に出ているのが、住宅ローンという負債(借入金)です。

そして、資産から負債を引いて計算したものが純資産と呼ばれているもので、赤い折れ線グラフで示しています。

純資産=資産-負債(借入金)

あくまでシミュレーション上の話ですが、この純資産額はご相談者様が退職される65歳の時点で最大となり、その金額は1億5020万円となっています。

教育資金や老後資金は失敗できない!あなたが今からできる資産形成の始め方、お金のプロに無料で相談![by MoneyForward]