はじめに

国鉄時代から続く数少ないトクトクきっぷのひとつが、全国のJR線の快速・普通列車の普通車自由席が1日間乗り降り自由となる「青春18きっぷ」です。例年2月に春季・夏季・冬季の年3回の発売が発表されますが、2019年度も前年と同じ利用条件・料金での設定となりました。

今年も奥津軽いまべつ~木古内間で北海道新幹線が利用できる「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」が発売されますので、青函トンネルをくぐり抜けて北海道への汽車旅も楽しめます。

年齢制限なく誰でも自由に利用できるおトクなフリーきっぷですので、週末の日帰り旅や旅行先での移動、東京駅から新山口駅まで2,370円(片道の普通運賃は12,640円)で行くハードな1日列車旅など、いろいろな楽しみ方ができます。

山陽本線の普通列車

今回は「青春18きっぷ」の基本の「き」から、楽しい旅のモデルルートまでをご紹介します。春季の利用期間は3月1日から4月10日までですので、この機会におトクな旅を楽しんでみませんか。


「青春18きっぷ」の基本の「き」

きっぷの名称から若者向けと思う方がいますが、実は年齢制限もなく誰でも利用できるのが「青春18きっぷ」です。若者が手軽に旅に出られるようにという思いから、当時の国鉄が発売したのがはじまりで、国鉄分割民営化後も「青春18きっぷ」として発売が継続されています。

小海線小淵沢駅付近の車窓

例年2月に1年間の発売予定・利用条件・価格などが発表されますが、新幹線並行路線の第三セクター化や普通列車の削減などで利用条件が変わることがあります。なお、今回は前年と同じ条件・価格での発売となります。

利用路線・列車

全国のJR線の快速・普通列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリーが乗り降り自由になります。快速・普通列車の普通車指定席やグリーン車自由席は、別に指定席券・グリーン券を購入すれば利用可能となります。

なお、奥羽本線新青森~青森間・石勝線新得~新夕張間の特例区間内相互発着の場合、佐世保線早岐~佐世保間・宮崎空港線宮崎~宮崎空港間に限り特急列車の普通車自由席が利用できます。

発売・利用期間

【春季】
・発売期間:2019年2月20日~2019年3月31日
・利用期間:2019年3月1日~2019年4月10日

【夏季】
・発売期間:2019年7月1日~2019年8月31日
・利用期間:2019年7月20日~2019年9月10日

【冬季】
・発売期間:2019年12月1日~2019年12月31日
・利用期間:2019年12月10日~2020年1月10日
ねだん:11,850円(おとな・こども同額)
うりば:全国のJRの主な駅、JRの旅行センターおよび主な旅行会社

1枚のきっぷでひとり5回まで利用できる

「青春18きっぷ」は1枚のきっぷですが、ひとりで5回(1回が乗車日当日限り有効)まで利用できます。連続5日間ではなく、利用期間中の任意の1日を選ぶことができるのが特徴です。

さらに全員が同一行程であれば、1枚のきっぷを2人~5人で同時に使用できますので、1枚のきっぷで5人が日帰り旅行をするのにも最適です。

1回の有効期間は1日間で、午前0時から24時間となります。列車に乗車中の場合は0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。ただし、東京・大阪の電車特定区間内では、午前0時を過ぎても終電まで利用できます。

実質的に1日のスタートは午前4時台の始発列車からとなりますが、「青春18きっぷ」愛好者に人気のある東海道本線東京~大垣間の夜行の快速列車「ムーンライトながら」(春季は下りが3月15~23日、上りは3月16~24日運転・全車指定席・乗車には指定席券が必要)は、関西~四国・九州方面への旅のアイテムとなっています。

下り列車の場合、東京駅発23時10分となりますので「青春18きっぷ」が2回分必要です。裏技として知られているのが、午前0時を回った小田原駅から1回分の使用を開始するものです。

東京~小田原間は別に片道の普通乗車券(1,490円)を購入すればOKですので、2回分を使用するよりもおトクになります。左党であれば新宿駅から小田急線を利用して小田原駅まで行き(運賃880円)、駅前の居酒屋でグラスを傾けながら列車を待つということもできます。

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