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「嵐」のCD初動売上枚数が“日本の景気指標”という衝撃事実

活動休止までは景気を下支え?

2020年12月31日での活動休止を発表した「嵐」。国民的人気グループである彼らのシングルCDの初動売上枚数(発売日から最初の1週間の売り上げ)などは、長きにわたり私の景気動向の早期把握に役立ってきました。

今回は、これまでの「嵐」のCDによる景気動向分析を振り返るとともに、活動休止までの2年弱の間に彼らの活動が景気に及ぼす影響に関して考察してみることにします。


初動売上枚数50万枚が判断の分かれ目

新曲は少し待てばアルバムに収録されるため、景気低迷時にはシングルCDの売れ行きは鈍化します。経験則上、超人気アーティストのCD初動売上枚数が50万枚超えになることが、景気拡張局面の目安です。嵐は2009年から2017年まで50万枚超えのCDが毎年1曲以上あった国民的人気グループです。嵐は景気分析においても注目の的でした。

たとえばリーマン・ショックの影響で多くの経済指標が悪化していた2009年3月、嵐の「Believe/曇りのち、快晴」は、初動売上枚数が50.1万枚と初めて50万枚を超えました。「曇りのち、快晴」は、同年1~3月期にテレビ朝日系列で放送されたリーダー大野智さんの主演ドラマ「歌のおにいさん」で、大野さんが演じる主人公・矢野健太が歌う劇中歌です。

このドラマはすべての回で視聴率(ビデオリサーチ、関東地区)が2ケタを記録し、午後11時台のドラマとしては異例のヒットとなりました。頑張っている人を応援するドラマのヒットは、景気後退局面の終わりを告げることが多い傾向があります。シングルCDの50万枚超えは2006年のKAT‐TUN「Real Face」以来、3年ぶりでした。

景気は2008年2月を山として後退局面に入り、秋にリーマン・ショックが起きました。同年に「One Love」「truth/風の向こうへ」「Beautiful days」などの名曲といわれるシングルCDを発売し、初の5大ドームツアーを行うなど国民的なグループになった嵐でしたが、2008年中は初動売上枚数が50万枚に届かない状況でした。

景気の谷である2009年3月になって、初めて50万枚を超えました。なお、2009年に初動が50万枚を超えたのは嵐だけでしたが、2010年からはAKB48が初動50万枚超えするグループとして出てきました。

初動売上枚数は景気動向と如実に連動

2012年は3月に発売した「ワイルド アット ハート」は初動55.0万枚でしたが、2012年6月の「Your Eyes」は初動47.7万枚にとどまりました。国内景気は2012年3月が山で、6月は11月の谷に向かう後退局面でした。

2014年4月30日発売の「GUTS!」は50.1万枚で、初動50万枚を超えました。次いで5月にはAKB48の「ラブラドール・レトリバー」が初動でミリオン超えとなりました。

内閣府の景気動向指数研究会は2017年6月、消費増税を経ても2012年12月以降「景気の拡張が続いている」と判断しましたが、嵐の初動売上枚数からいち早く「景気は後退局面にならなかった」ことが裏付けられていました。

2017年11月発売の「Doors ~勇気の軌跡~」が57.1万枚と、4作ぶりに初動で50万枚を超えました。その結果、9年連続で嵐のCDは初動50万枚超えとなりました。

自然災害が多く発生した2018年には、嵐のCDが初動で50万枚を超えることはありませんでした。ただし、ジャニーズの後輩グループのKing&Princeが「シンデレラガール」で57.6万枚と、初の初動50万枚超えを達成しました。

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