はじめに

これまでのシニア世代に比べて“老後”が一段と長くなりそうなのが、今の現役世代。しかし、年金の受給額や支給開始年齢は条件の改悪が進む一方。こうした情勢とマイナス金利の影響もあり、不動産投資に対する関心が高まっています。ただ、不動産投資市場への資金流入が進んで過熱感を指摘する声もあり、また不動産投資をめぐる不祥事が起こっているのも事実です。今のような環境で不動産投資を始めるのは正しい選択なのでしょうか。

不動産業者向けの物件を仕入れする業務から出発し、今回、個人向け直販ビジネスへと進出したセルゲートジャパンの関野雄志代表に話をうかがいました。


23区のワンルームは引き続き好需要

――2019年の不動産投資市場は、これからどういう動きになると思いますか。

関野氏: 投資用不動産に関しては、これまで積極的に融資を推奨してきた金融機関ですが、一部で不祥事が起こったため、引き締めムードで慎重になっています。不動産投資の中でも、一棟ものやアパート系の融資は全体的に厳しい傾向にあります。

しかし、ワンルームへの投資はむしろ伸びています。特に東京都心部のワンルームは賃貸需要も高く、提携ローンを使えば自己資金が少額でも始められ、有利に融資が受けられることも、需要が伸びている理由かもしれません。

一棟ものやアパートの融資基準は土地の担保価値です。駅から離れた場所でも土地の広さや坪単価が重要視されていました。一方でワンルームは賃貸需要の高さが融資基準となります。賃貸需要が高い都心部の駅近立地の方が物件の価値が評価されます。一棟ものやアパート系のものとは融資姿勢が異なります。つまり融資が付くワンルーム物件はそれなりに市場性も評価がされているという事です。
この逆風の中でもワンルーム投資が伸びているという事は、金融機関も市場性を評価して融資を実行していると感じています。

また東京23区内のワンルームマンション建設には規制があり、むやみに増えることはありません。現在も単独世帯を中心とした賃貸需要が増えるのに対して物件の供給の方が追い付いていない状況ですので、賃料や物件価格は上昇傾向であると見ています。

賃料や物件価格が値上がりしているとはいえ、海外の都市と比較すれば、東京の投資用不動産の価格はまだまだ割安だと思います。ポテンシャルがあるエリアの物件を低金利の融資で有利に買えるという点で、ワンルームへの投資はおすすめなのです。またその際は、有利な提携ローンが使えるという条件が前提ではありますが。

――では、今から不動産投資を行っても遅くないのでしょうか。

短期視点では市況や経済環境、融資環境によって有利不利なタイミングはありますが、長期視点ではは、基本的には早く始めたほうが選択肢を多くとれ、有利になると思います。

融資条件には年齢の制限があり、完済上限年齢が84歳で借入期間は最長45年までと決められています。したがって、若い方(20代〜30代)なら時期やマーケットを見て焦らずに決めても最長期間のローンも選択できます。時期を遅らせると、その分、賃料収入や利益を得る機会を逸失してしまいます。東京での賃貸需要は根強いものがあり、今後も無くなる可能性はかなり低いと思いますし、住宅の都市化はより一層進んでいると感じています。そのため、家賃も今以上に上がり続ける可能性が高いと思いますので、タイミング的には遅くないと思います。

関野さん画像関野雄志…株式会社セルゲートジャパン代表取締役。1985年生まれ。19歳で投資用マンション大手仲介会社へ入社。同社専務取締役を経て26歳で起業。直接オーナーから仕入れた物件を販売し、購入後の管理までワンストップで提供するサービス、ワンルームダイレクトを開始。

手元の現金を使わずにできる投資

――他の金融商品と不動産投資を比較した際にはどうでしょうか。また、年収に対しての投資物件の価格と保有数の目安はありますか。

不動産投資は、手元のキャッシュ(現金)を使わずに投資ができるのが最大の魅力です。

ローンで買い、賃料で支払い、ローン支払いと賃料収入の差がとれる投資です。キャッシュを使わないでできる投資は数ある投資商品の中でも不動産投資だけですので、キャッシュが必要な投資と併用して取り組む事をおすすめします。

今はワンルーム投資において、提携ローンが活況なので、物件価格の100%まで、金融機関によっては物件価格+諸費用まで融資してもらえるところもあります。今後もし市況が下火になることがあれば、当たり前に100%ローンが出なくなる事もあります。結果、キャッシュを使わず有利に買う事は難しくなる可能性もあります。

借り入れできる目安は他の金融資産や不動産の保有状況、借り入れ状況によっても異なりますが、年収500万~600万円台の方なら、年収の8倍から10倍までが目安となりますので、価格帯が2,000万~2,500万円のワンルームマンションを2戸程度、年収1,000万円以上の方なら4~5戸が目安です。

実際には1戸だけという人よりも、複数買う人の方が圧倒的に多いです。初めて購入する時は慎重に検討するので、買うことを決めるまで検討する時間がかかりますが、投資に対するリスクを理解できた方は2戸目を購入する時の決断は早くなる傾向です。

目安としては年収の最大10倍から12倍までローンが組めます。金融機関によっては、年収の倍率だけではなく、保有している物件の家賃収入も年収の一部としてみたり、収入と支出の返済比率で借り入れの上限を計算する金融機関もありますので、お客様の年収や借り入れ状況によって最適なプランを組み合わせることをお奨めします。

仕入れから販売まで一貫体制

―セルゲートジャパンは、どのような会社なのでしょうか。また、なぜ直販を始めたのですか。

もともとは物件の仕入れを専業とする投資用ワンルームの買取会社です。投資用ワンルームを持っているオーナー様から物件を買取り、それを販売会社に卸売りをしておりました。魚の業界で例えて言うなら、魚を獲ってくる漁師のようなポジションです。マーケット(市場)に出す前に水揚げして、それを寿司屋(販売会社)に卸売りをする。というイメージでしょうか。

弊社は、卸売り業者なので、一般のマーケットに出回らないような未公開物件を豊富に扱っています。取り扱う物件はもちろん市場に流通している物件と同じ分譲マンションですので、仕様やグレードは変わりませんが、流通コストをカットするために価格に競争力が生まれます。このCtoCの流通モデルを実現できれば適正価格で提供する事できるのではないか、と考え直販事業を始めました。

直販事業の実現には提携ローンが必須です。弊社の提携ローンは返済期間が最長45年、提携金利から+0.1%の金利上乗せでがん団体信用生命保険付き、金利も1%台からと、投資用の融資としてはかなり有利な条件で借りられます。

購入価格については、弊社のモデルであれば例えば市場価格で2,000万円の物件なら、10%くらい割安に買えるイメージになります。

――セルゲートジャパンで不動産投資をしたいと思ったら、どうすればいいのでしょうか。

まずアプリから会員登録をしてもらえば、毎週アプリ上で不動産情報を提供しますので、そこから問い合わせ可能です。仕入れの状況次第で波は出てきますが、週に10~30件程度、平均して月に100件ほどの情報は出せているのではないかと思っています。

アプリのイメージ画像「ワンルームダイレクト」アプリ画面。ワンクリックで購入申込みまで完結でき、会員は1,300名を超える。

また、初心者の方や詳しく話を聞きたいという方には、定期的にセミナーを開催して、仕組みの説明をするとともにご相談にも応じています。コンサルティングを受けながら購入の判断をしたい人は、セミナーや勉強会を活用してください。