はじめに

「プラウド」ブランドの新築マンションを手掛ける野村不動産が、マンション1棟を丸ごとリノベーションするという新規事業に乗り出しました。一般的なリノベーション物件は立地や広さに対する割安感を売りにすることが多いですが、同社は「価格は高級な新築マンション並み」と強気です。

各部屋の販売価格を平均すると坪単価は650万円と、近隣の高級新築マンション並みの価格に設定されています。いったい、どんな物件なのでしょうか。


築35年のビンテージマンションをリノベ

同社が第1弾物件として棟内先行モデルルームを公開したのが、東京都渋谷区の「プラウド上原フォレスト」です。もともとは、パリのエリゼ宮殿をモデルにして1984年に建てられた築35年の豪華な賃貸マンションでした。

この物件は竹中工務店が外国人向け高級マンションとして建設。平均専有面積は330平方メートル、天井高は3.2メートルで全戸角部屋と、かなり豪華な造りでした。外壁やバルコニーにはカーブが多用され、タイル張りの優美な建物だったそうです。

また、建設時に植えられた樹木が、建物を包み込むように大きく成長し、古い洋館のような雰囲気だったといいます。

リノベ前の建物
1984年当時の外観

野村不動産は当初、新築マンションを建築する予定で土地を購入しました。しかし、途中からリノベーション事業に切り替えました。事業担当者は「初めての事業でしたが、価値のある建物を後世に残す社会的意義を感じました」と話します。

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