子育て

私立中学、子どもに行かせたいのは「男女別学」それとも「共学」?

数字から読み解く中学受験:連載第9回

中学受験に関する数字を森上教育研究所の高橋真実さん(タカさん)と森上展安さん(モリさん)に解説いただく本連載。

初夏が近づくにつれ、今年も私立中学における学校説明会が増えてきました。

子どもに向いている学校は、「男女別学か、それとも共学か」と悩むご家庭も多いと思います。親の考えと子どもの考えが違うケースもあることでしょう。中高の6年間を過ごす場所だからこそ、学校で過ごす友人が同性か異性かで人格形成にも大きな影響を与える可能性があります。

実際、別学と共学には、どのような環境の違いがあるのでしょうか。お二人に紐解いてもらいます。

今回の中学受験に関する数字…男子校47校、女子校93校


都内私立中学、全体の3分の1は女子校

<タカの目>(高橋真実)

首都圏には男女別学の私立中学校が数多くあります。1都3県で男子校47校、女子校は93校です。特に多いのは都内の女子校で、都内私立中学全体の3分の1に相当します。

別学に多いのは宗教校です。明治維新後、海外からキリスト教布教のために来日した外国人が開いた学校や、そうした外国人に影響を受け信者となった日本人によって開かれた学校が数多くあります。特に神奈川県の別学はキリスト教の学校が多く、女子校21校のうち15校が布教を目的としたミッション・スクール、あるいはキリスト教の教えに基づく学校です。

宗教校としては仏教系の学校もあります。仏教系の男子校は、ルーツが僧侶の養成機関だったところもあり、こうしたところは非常に長い歴史があります。

男子校の中には、戦前の陸軍・海軍士官学校の予備校だったところもあり、創立時の社会的な背景を色濃く映していると言えます。

当時の裁縫学校は女性の自立を目指した学校だった

社会的な背景という点では、女子校の変遷はその時代の価値観を反映していると言えるかもしれません。

明治初期創立の女子校は、近代国家にふさわしい女子教育の確立を目指し、教養教育を中心としていました。一方、女子校の中には、創立当時、裁縫学校だったところもあります。

裁縫というと良妻賢母教育に通じると思われるかもしれませんが、家の外で働く機会が限られていた戦前の女性にとって、裁縫は自立のための重要なスキルの1つでした。そう考えれば、裁縫学校は女性の自立を目指した学校であったとも言えます。

現在の女子校は自立した女子の育成を目指し、進学実績では男子の進学校にも引けを取らない学校や、国際的に活躍する人材を輩出している学校もあります。

心置きなくオタクになれる?

別学の環境とはどんなものなのでしょうか。

男子校の学校説明会では、校長先生が「うちにくれば心置きなくオタクになれるよ。」とおっしゃる学校があります。一方、女子校も、役割意識にしばられず、のびのびと存分に力を発揮して将来に備える環境があると校長先生方はおっしゃいます。

先日、ある女子校の学校説明会で、今年難関私大に進学した卒業生が「女子校は人間関係がほんと楽でした!」と笑顔で話していました。女子校というと、人間関係がドロドロするのではと思う方もいるようですが、どうやらそうとも言えないようです。

最近、別学校の共学校が進んでいます。ここ数年首都圏では、女子校を中心に毎年1,2校が別学から共学校へと変わっていっています。共学化の波が押し寄せている今日この頃ではありますが、ステレオタイプで別学をとらえることなく、「別学の真実」を見に行ってみてはいかがでしょうか。

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