はじめに

ドーナツ専門チェーン「ミスタードーナツ」が、矢継ぎ早に新商品を出しています。9月6日には、秋の新商品「さつまいもド」を期間限定で発売。生地に安納芋パウダーを練り込むことで、イモイモしさを目指したといいます。

ミスドは今年に入って、3月に桜、4月に抹茶、5月に定番ドーナツのリニューアル、7月には堂島ロールと共同開発した「ローナツ」と、ほぼ毎月のペースで新商品を出してきました。その狙いはどこにあるのでしょうか。


サツマイモの甘さと香りが広がる

基本のプレーンのほか、紫色の飴状の砂糖をかけた「紫いも」、甘辛たれと黒ゴマをかけた「大学いも」などの全5種で展開する「さつまいもド」。生地に安納芋パウダーを練りこみ、食べた時にイモっぽい食感をどう再現するかに注力しました。

価格は129~140円(税込み)。ポン・デ・リング型のドーナツを一口大にちぎると、断面から見える黄色い生地はまさにサツマイモ色。口に入れるとしっとりとした触感で、サツマイモの甘さと香りが広がります。温めるとイモの香りが立ち、生地の食感がホクホクへと変化するそうです。

開発のきっかけは、同社がスイーツ好きの18~69歳の男女100人を対象に実施したアンケート。「秋によく食べるスイーツ」を聞いたところ、チョコレートと並んでスイートポテト(14%)が1位に。さらに「秋には流行るスイーツ」は、栗・マロン(64%)、カボチャ(26%)を抑えて、さつまいも(70%)がトップだったそうです。

また、「さつまいもスイーツが好きな人のイメージ」として、あたたかい、穏やか、家庭的など、ポジティブな言葉が上がったといいます。広告広報室の叶英之さんは「秋に食べたいドーナツにこだわり、考え抜いて商品化しました」と話します。

季節性のある商品が人気化

ミスドは1月、バレンタインデーに向け、有名パティシエの鎧塚俊彦さんと共同開発した「ショコラドーナツ」の発売を発表。その後も種類を増やし、「ショコラコレクション」として展開しました。

3月には、桜のフレーバーを付けた「桜が咲くドドーナツ」(全6 種)を期間限定で発売。 4月からは、宇治茶専門店「祇園辻利」とコラボした抹茶プレミアムスイーツを出しました。

また、同月下旬には、巷で人気を呼んでいた「タピオカドリンク」にも参入。ドリンクの売り上げ増を狙うとともに、タピオカドリンク専門店のない地方に住む人もターゲットにしました。


発売中のタピオカドリンク

5月には定番の人気商品、「オールドファッション」「チョコレート」をリニューアル。 7月からは、大阪で人気のスイーツ「堂島ロール」で有名な菓子店「Moncher(モンシェール)」と共同開発し、特製クリームをたっぷり使った「堂島ローナツコレクション」を発表しました。

この商品は各店で売り切れが相次ぎ、話題を呼んだといいます。前出の叶さんは「スイーツが多様化する中で、季節性のある商品のニーズが高くなっています。春の桜や抹茶も好評でした」と話します。

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