はじめに

2020年の株式市場は本日1月6日に大発会を迎えます。昨年は大発会から一時700円安を記録するなど、大荒れのスタートになりました。しかし、年間を通じた最安値は、この大発会の1万9,241円でした。

2019年の日経平均株価は米中貿易摩擦や各国の金融政策に大きく反応し、値幅が上下約4,500円と変動が大きく、難しい相場となりました。しかし、9月以降は上げ基調となり、12月には一時2万4,000円を突破。終わってみれば、バブル崩壊以来の高値圏に位置するという結果となりました。

今回は、そんな2019年の相場を、先人の経験則である相場格言で振り返り、2020年にはどうなるかを展望していきたいと思います


最も買いたくなかった大発会が年底

2019年1月4日に大発会を迎えた株式市場は、2018年の下落の余韻に苦しめられていました。日本の株式市場が休場している間に米アップルが下方修正を発表したほか、中国の景気減速懸念も取り沙汰され、2016年以来、3年ぶりの下落スタートの大発会となりました。

しかし、翌営業日の1月7日には、堅調な米国の雇用統計や米FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が利上げ停止含みの発言をしたことが好感され、すぐさま2万円を回復。年間で終値が2万円を割ったのは大発会のみとなりました。

このように、買うのが最も躊躇される下落続きの1月こそ、「人の行く裏に道あり花の山」であったといえます。

株式相場は大勢と同じ方向に乗っかったほうが良いとされることが常ですが、それでは人並みの結果しか得られません。「人の行く裏に道あり花の山」の相場格言は、大きな成功をつかむためには時に大勢と逆の行動をしなくてはならないことを教えてくれます。

「5月に株を売れ」では遅かった?

2月初旬には、堅調な米国経済を背景に2万1,000円を回復。さらに、米国が対中関税の延期を発表したことを好感した動きもあり、2月末には2万1,500円も回復しました。4月には、中国の景気後退懸念が後退した4月15日、2万2,000円を回復しました。

「買いにくい相場は高い」という格言にもある通り、株価が高い場合には高い理由があるはずです。株価が高くなってしまうとそれだけで買うことを躊躇してしまうことが多くありますが、なぜ高くなっているのかをしっかり考えれば、上昇相場に乗っていけるのではないでしょうか。

2019年はゴールデンウイークが前代未聞の最大10連休でした。そのため、連休前の手仕舞いを懸念する動きがありました。しかし、4月23日に米ナスダック総合指数が最高値を更新するなど堅調な米国株式市場も背景にあり、予想に反して2万2,000円台をキープして連休を迎えることとなりました。

ただし安心したのも束の間、連休中にドナルド・トランプ大統領から対中関税引き上げを示唆する発言があり、連休明けの5月7日は急落。その後もわずか6営業日で2万1,000円近辺に後戻りし、令和に入ってから6営業日続落を記録するなど、苦しい相場展開となりました。

4月までの上昇基調から一転、5月にあっという間に1,000円以上も下げる相場となりました。結果的には「5月に株を売れ」では少し遅かったようです。

<写真:松尾/アフロ>

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