はじめに

「海外に行っても、子供の記憶には残らないだろうし……」「子供が機内で大人しくしてられるか不安」「旅の直前に熱でも出したらどうしよう」

海外旅行が趣味だった人も、子供が生まれたら、この先しばらくは無理だろうと、あきらめていませんか。

子供が2歳になるまでは、お得に海外旅行ができる貴重な機会でもあります。できるだけ不安を軽くして、旅の計画を立ててみてはいかがでしょうか。


2歳未満なら旅行代金「100円」も

機内で座席を利用せずに親の膝の上で過ごせば、日系航空会社の場合、2歳未満の子供の航空運賃は大人のわずか10%と、とてもお得に海外に行くことができます(※)。旅行会社のなかには、2歳未満の幼児の旅行代金は「100円」という、破格のツアー商品を打ち出しているところも。

子供が幼稚園や小学校に通うようになると、平日に休んで旅行に行くのは気がひけるもの。とはいえ、夏休みなどの長期休暇を利用すると、繁忙期のため旅費が一気に跳ね上がります。

それならばと、2歳までのうちに思い切って海外旅行に行ってみてはいかがでしょうか。

親の仕事の都合さえつけば、気兼ねなくオフシーズンに行くこともでき、旅費をかなりおさえることができます。

なにより小さい子供を抱えて、日がな一日ワンマイルの範囲で生活する母親にとっても、海外旅行は非日常を感じてリフレッシュできるよい機会にもなるはずです。

経験者は語る、海外旅行は「何歳でも問題なし」

いくらお得に海外旅行に行けるといっても、小さい子供を連れて行くには不安がつきまといます。フライトの時間、機内での過ごし方、体調管理、荷物の用意など……気になることがいっぱい。

“先輩”である子連れ旅行の経験者は、不安についてどう感じたのでしょうか。

DeNAトラベルの「『子連れ旅行』に関するアンケート調査」によると、小学生未満の子連れ旅行の経験者3割が、子連れで海外旅行に行くことについて「何歳でも問題なし」と回答しています。


調査:株式会社DeNAトラベル 

そう回答した理由について聞くと、「旅行代金が安い」という点以外にも海外旅行にメリットを感じている様子がうかがえます。

「赤ちゃんなら授乳で落ち着いたりするのでかえって楽(40代・女性)」

「日本より海外、特にヨーロッパは子供や子連れに優しいと思います。子供がレストランや公共交通機関のなかで大泣きしていても、ほとんど嫌な顔されたことはありません(40代・女性)」

「大人になったら忘れているかもしれませんが、旅行から帰ってくると、着実に子供は成長しているので、なにかのプラスになっていると思う(30代・女性)」

「親も気分転換になるし、家族としての団結も強まって、よい経験になると思います(30代・女性) 」

法務省によると、平成28年の0~4歳の子供の出国者数は前年よりも6%近く増えているそうです。

事前準備でフライト中もゆっくり

コスパ以外にもメリットがあるなら行ってみようかな、と前向きに感じた方も多いのでは。

それでは、実際に小さい子供を連れてはじめて海外旅行に行く際、どのような準備をしていけばよいのでしょうか。子連れ海外旅行を計画するときの注意点について、JTB広報室の山下さんにお話を聞きました。

子連れ海外旅行で特に不安なのは、機内での過ごし方。フライト中、タイミングよく眠ってもらうコツはあるのでしょうか。

「搭乗前はできるだけ子供に昼寝をさせないようにし、空港内にあるキッズスペースなどで遊ばせておくと疲れて、機内で眠りにつきやすくなります。深夜出発の便も、お子さまが比較的寝てくれやすく、おすすめです」

その他、航空会社では機内で離乳食・幼児食を提供してくれたり、優先搭乗、オリジナルのおもちゃをもらえたりと乳幼児向けのサービスが充実しています。特にバシネット(機内用ベビーベット)が利用できる座席は、足元にゆとりもあり、小さな子供連れの旅行客にはとても重宝します。

ただ、「バシネットは数が限られているので早めに予約する必要があります」とのこと。予定が立ったらすぐ予約するように心がけたいですね。

スケジュールには余裕を持って

行き先やスケジュールを決める際の注意点はあるのでしょうか。

「行き先は、直行便で行けて、フライト時間が短く、時差が小さいエリアが安心ですよ。 お子さまのタイミングに合わせて、柔軟に変更できる、余裕をもったスケジュールにすることが大切です。

ホテルを決める際は、リゾートなら赤ちゃんでも遊べるプールがあるか、気軽に利用できるキッズルームがあるかを確認するのもポイントですね。

また、子供の着替えは大荷物になるので、ホテル内にコインランドリーがあると便利です。万一のときに備えて日本語スタッフがいるか、ドクターサービスがあるのかも確認しておくと安心ですよ」と山下さん。

今回お話を聞いたJTBでは『ルックJTB』のサービスとして、出発前に現地係員に直接質問できる『教えてママさんメール』や、出発間際に子供が体調不良等で旅行をキャンセルしても、次回の旅行を予約することでキャンセル料がかからなくなるなど、不安を解消してくれる手厚いサービスが用意されているそうです。

しっかり準備をすれば子連れでの海外旅行も安心。今年の夏は、素敵な子連れ海外旅行を計画してみてもいいかもしれません。

※大人1人が同伴できる2歳未満の子供は2人まで。大人1人が幼児2人を同伴する場合、1人は小児運賃が適用されます。また航空会社によっては幼児運賃、小児運賃の設定がない運賃や割引率が異なるところもあります。

(文:編集部 土屋舞)

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