はじめに

2月15日の日経平均株価は大幅に上昇。終値は3万84円と、バブル経済期の1990年8月以来、30年半“ブリ”に3万円を突破しました。8日に日経平均株価が約30年半“ブリ”に2万9,000円台回復と聞いてまだ数日の快挙です。

最近、株式市場ではこの何年“ブリ”という言葉がよく聞かれます。昔、相場を良く知る著名なエコノミストから「ブリが多いことを “ブリの大漁”と言って、投資家の気持ちを明るくさせる」と聞きました。

確かに足元、緊急事態宣言のなかで自粛活動が続き、景気が良い実感はありません。株価が実態経済を表さないとバブル警戒感を不安に見る専門家もいます。しかし、ここにきての“ブリの大漁”は、将来の日本経済の回復を先行した株高と、明るい見方も期待できます。

しかし、問題はこの先です。株価が台替わりした後の相場はどうなるのでしょうか。今回の3万円大台突破のように、過去の大台替わり後の相場が果たしてどのようになったかを調べてみました。


大台乗せは“達成感で一服”か、それとも“更なる強気”か

大台ということで、過去に株価が1万円台、2万円台、そして3万円台到達後の相場を見てみましょう。

まず1万円台到達は1984年1月9日でした。平成バブル大相場に向けた最初のステップです。その後、円高不況などの国内経済が厳しい状況も経験しますが、低金利のなか株価は大勢的な上昇トレンドは持続しました。

そして1987年1月30日には2万48円となり、2万円に到達しました。その年の10月にはブラックマンデーの歴史的下げを記録しました。しかし株価は平成バブルに向け回復し1988年12月7日には3万円に達しました。

このような1万円刻みの大台を超えた後の日経平均株価の平均騰落率を、5日後、10日後、20日後、40日後、60日後、125日後、に分けて調べました。今回は立会日ベースでの経過を見ているので、5日後は土日を含めた通常のカレンダーで見ると1週間後です。

また、今回の分析では平成バブル崩壊で相場が下げた後、再び相場が回復して2万円の大台乗せした2015年4月22日も含みました。平成バブルまでの上昇相場で2万円大台乗せした後に、長期的に市場が下落した後、再びアベノミクス相場のなかで2万円台を回復した場面で、今回の3万円台乗せも似たようなケースです。

こうした大台乗せ回復場面も含めるため、大台が割れて下落した後に750日(約3年)過ぎてから再び相場が回復して大台乗せしたケースも対象に含めました。ですから合計はこれら4回大台替わりした後の日経平均株価の平均騰落率を見ています。

分析結果は、10日後(概ね2週間後)まで騰落率がマイナス(下落)でした。大台乗せしてから10日後までの騰落率は-1.65%です。大台乗せの到達感が市場に広がりその後の相場は短期的に一服してしまうのかもしれません。

しかし、20日後からは上昇し、125日(約半年)後も7.68%とプラスです。これを足元の日経平均株価の3万円に当てはめてみると、半年後となる8月半ばくらいに3万2,300円までの上昇すると試算できます。大台乗せ後は到達感から短期的には一服するも、大台を突破する株価の勢いがその後も続きやすいようです。

<写真:つのだよしお/アフロ>

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