はじめに

(4)日本株

私たちの住む日本の株の中にも、株価が10倍になる「テンバガー」の銘柄があるかもしれません。また、10倍とまではいかなくても、株価が大きく上昇するものがあるかもしれません。それを探すために、投資家のバイブルともいわれる「会社四季報」のスクリーニングを行いましょう。

四季報スクリーニングのポイントは、3つあります。

(1)長期的な潮流の業界か・付加価値が高いサービスを展開しているか
たとえば世界の人口は現時点で約78億人ですが、2100年には109億人まで増加すると考えられています。そうすると、資源が枯渇したり、食料が不足したりする問題が出てきます。
また、高齢化が急速に進むなかで、長生きしたい・若くありたい・綺麗であり続けたいという願望は、日本だけでなく世界中であり続けるでしょう。このような長期的な課題・傾向をいくつか考えてみてください。解決する業界、分野をあらかじめスクリーニングしていきます。

(2)株価のチャートが右肩上がりになっているか(特に直近の株価が上向きか)
次に、株価のチャートが右肩上がりになっているかをチェックします。会社四季報にはチャートが記されていますので、下げトレンドが終わって横ばいになり、直近の株価が上昇している銘柄を探します。

(3)売上高と営業利益の「両方」が下に行くほど伸びているか
会社四季報の売上高と営業利益が年々上昇しているものを探しましょう。売上高だけが伸びているときは、経費の使い方に問題がある場合も考えられます。一方、営業利益だけが伸びているときは、経費を削減しているだけの場合もあります。

また、「予」の字がついているデータは、四季報の記者が予想したデータです。この数字も順調に拡大しているとなおよいでしょう。

該当するチャートやデータを見つけたら、会社四季報の本に片っ端から付箋を立てていきましょう。それが終わったら、付箋のついたページの記事欄をチェックします。
記事欄には、四季報の各社担当記者が行なった独自の取材をもとに、業績見通しや株価に影響を与えそうな新商品、経営課題などが記載されています。

特に注目して欲しいのが、記事欄の見出し、【】のカッコで記載された部分です。ここに【独自増額】とある場合は、取材の結果、記者が「会社計画は保守的すぎる」と判断し、独自に予想を引き上げています。ということは、今後現状の会社の予想よりもいい決算が発表されたり、思わぬ上方修正があったりする可能性がある、ということです。

また、欄外の「四季報独自予想欄」にも注目。ここに笑顔マーク2つの「大幅強気」がついていたら、四季報営業利益予想と会社営業利益予想の乖離率が30%以上あることを示しています。これもまた、好決算や上方修正の可能性があるというわけです。
たとえば、オイシックス・ラ・大地(3182)は、会社の営業利益予想と四季報の営業利益予想が大きく乖離しており、大幅強気のマークがついていました。結果、2020年後半から何度も上方修正・最高益更新を発表。2020年3月時点で安値1000円前後だった株価は、2020年10月時点で高値4000円超えと、約4倍もの上昇を見せています。

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