今、日本のアパレル業界は服が売れず、軒並み苦戦を強いられています。

ファーストリテイリングは、国内ユニクロ事業で本業の儲けを示す営業利益が前期比6.4%のマイナス(2017年8月期)でしたし、しまむらも前年同期比5.2%の営業減益(2017年度上半期<3~8月期>)でした。

そんな中で異例の成長を遂げているのが、ワーキングウエアのワークマンです。2017年度上半期(4~9月期)は売上高、営業利益とも前年同期と比べて6%台の増加となっています。一体、何がワークマンの好調を支えているのでしょうか。


20年間で時価総額は10倍に

アパレルとはいっても、ワークマンは建設現場や工場で働く人向けの作業着がメインです。だから、ユニクロやしまむらと比較することはナンセンスだと思われるかもしれません。

実際、成長を牽引しているのがワーキングウエアであることは間違いありません。ただ、実はカジュアル衣料も2014年度から2016年度までの2年間で13%も伸びています。

ワークマンというと作業着を着た吉幾三さんのテレビCMが有名ですが、今はもう流れていません。現在流しているのは、若いモデルを起用した、まさにスポーツアパレルのCMです。

同社は1997年9月にジャスダックに上場して満20年になりますが、この間に営業利益は7.8倍、時価総額は10倍になっています。

店舗戦略はワークマン流

店舗の8割強がフランチャイズの加盟店です。チェーン全店の売上高は2016年度で742億円ですが、このうちワーキングウエアが3割を占め、作業用の靴や軍手、ヘルメットなどの作業用品を足すと74.5%が作業用品になります。

したがって、公共工事の発注量に業績が左右されることは否定できません。リーマンショック以降の2年間は減益が続きましたが、東日本大震災の復旧・復興で需要が急増。その後も自民党の政権復帰によって公共工事が復活してからは、右肩上がりの業績が続いています。

出店戦略や店舗の運営方法も独特です。店舗が駅前や駅近など、人が簡単に歩いて行ける場所にないのです。

その代わり、車で移動するには便利な場所にあります。建設現場にはワゴン車を使って数人で移動するからでしょう。ホームページの店舗検索はGPSと連動していて、カーナビのごとく現在地からのアクセス表示が付いています。

開店時間も朝7時と、一般的なアパレル店舗と比べると、かなりの早朝営業。多くの建設現場でラジオ体操が始まるのが午前8時なので、現場に着く前に必要なものを買って行けるように、という配慮です。

プロ仕様ならではの優れモノぞろい

店で売っているものはまさにプロ仕様です。軍手だけでも使用目的別にかなりの種類があり、蒸れ防止のために手の甲の部分がメッシュになっていたり、滑り止めがついていたり、強度の防水加工が施されていたりします。

今年の夏には空調ファン付きの作業着が話題になりました。冬物の今は、そこまでユニークな商品はありませんが、汗を熱に変えるボアタイプのインソールや裏地にアルミを使ったコートなど、寒い場所で長時間働く人のニーズをくんだ、まさにプロ仕様の優れモノぞろいです。

しかも、デザインがかなり洗練されているのです。コートや安全靴はタウンユースで十分通用するレベルです。そして、とにかく値段が安い。シンプルな木綿製の軍手が10組セットで178円ですし、前述のボアインソールは399円、アルミ裏地のコートは4,900円です。

長時間立ち仕事に従事する人向けのサポーターは、関節用だけでなくふくらはぎ用もあり、薄手でかさばりません。なおかつ、本格的な医療用仕様ではない分、価格も597円と実にリーズナブルです。座り仕事で足がむくむ事務系職種の人でも、パンツスタイルなら隠れてしまうのでオススメです。


ふくらはぎ用のサポーターは座り仕事が多い人にもオススメ

オンラインショップで購入することも可能ですが、店舗へ行けばニッカポッカなど保守本流の作業着も置いていますので、どういう構造になっているのかがわかったりもします。

建設現場や工場とは縁のない人でも、思わず普段使いしたくなるグッズの数々は一見の価値ありです。一度「探して」お店に行ってみると、意外な掘り出し物が見つかるかもしれません。