はじめに
3畳暮らしでもバス・トイレ別が良い
若い世代が住宅性能を重視することは、他の調査項目から浮かんできました。
一人暮らしの学生・社会人に、「6畳+バストイレ一緒(ユニットバス)」と「3畳+トイレ独立」のどちらを選びたいかを聞いたところ、学生では24.2%の人が超狭小部屋を「必ず選びたい」と回答。年代別でも、超狭小部屋を「必ず選ぶ」とした人は、10代・20代で15.7%と、40代の倍以上の割合を占めました。
(出所)リクルート住まいカンパニー
池本編集長は「若い世代では、広さを妥協してもバストイレは別が良いというニーズが非常に高い。持たざる暮らしとか、ミニマムライフがスマートだという美学が広がり、空間的な広さよりも実用的な使い勝手の良さを重視する動きが強まっている」と分析します。
背景には、「メルカリ」などのフリマアプリが日常的になったことのほか、シェアオフィスやカフェなど共用空間で過ごしたり、仕事をしたりすることが当たり前になったことがありそうです。
「サブスクリプションやシェアエコノミーが広がり、街ナカの共用インフラを使いこなせば、部屋はミニマムでいいという思考が浸透し始めているようです」(池本編集長)
今回の調査からわかったことは、若い人の家探しといえば「安かろう・悪かろう」は過去の話になりつつあるという現状。居心地の良い実家に慣れた10代・20代に受け入れられる住宅性能を持っているか否かで、賃貸住宅の入居率が二極化する時代が、すぐそこに来ているのかもしれません。