はじめに
環境車でありながら高級車
前述したように旧型が環境車であることを意識しすぎたことを受けて、新型は従来の環境車のイメージを払拭するエモーショナルなスタイリングを実現しました。デザインコンセプトは「サイレントダイナミズム」でスピード感あふれるプロポーションと、大胆な面の変化による造形を融合させたデザインとしており、低い全高と大径タイヤなどによるクルマとしての素直な美しさを追求しています。
フロントは低いノーズや細身のLEDヘッドランプの造形、リアもフロントと同様のワイド感を統一することで低重心かつスポーティさを強調します。
また新色も含め、全8色のボディカラーを設定。イメージカラーは新規に開発した「フォースブルーマルティプルレイヤーズ」と呼ばれる力強いブルーです。
室内に関しては旧型の4名乗車から5名乗車に変更されました。これに関しても旧型は賛否両論でしたが、やはり5名乗車のニーズは無視できません。ホイールベースの拡大により足元の余裕も生まれました。またセンター部分にはカップホルダー付きの大型アームレスト、さらに一部のグレードにはエアコンやオーディオの操作も可能なタッチ式コントロールパネルも搭載します。
「エクゼクティブパッケージ」は後席VIP仕様と言える機能を数多く搭載します
前席に関してもナビや空調などを統合して表示できる12.3インチの高精細タッチディスプレイや8インチのカラーメーター、Gグレード系には少ない視線移動で多くの情報が把握できるカラーヘッドアップディスプレイも標準装備します。
先進安全装備もさらに進化
トヨタ車に搭載される予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」も最新の機能を搭載しました。
数多くの新機能がある中、交差点の右折時などの衝突回避・被害軽減を支援する「交差点事故対応」のほか、昨今問題になっているペダル踏み間違い事故への対応として、障害物がないシーンでも踏み間違い検知して加速を抑制する「プラスサポート」もディーラーオプションで設定しました。
搭載するカメラやセンサーなどで全周囲を検知することでスイッチひとつで駐車ができます
この他にも駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキだけでなくシフト操作も車両側が制御する「アドバンスド パーク」なども設定。さらに今後はAI技術を活用した高度運転支援技術である「Toyota Teammate」による自動車専用道でのハンズオフ走行の販売も2021年に予定されています。
災害時の非常用電源としての期待
ミライには車内に2箇所のアクセサリーコンセントを装備します。1500Wまでの電気製品に対応しますので、非常時の電源としてはもちろん、パソコンや携帯電話などの充電や利用などにも対応します。
外部に電気を供給する外部給電アウトレットは全グレードに標準装備されます
そして水素と酸素だけあれば電力を生み出すことができるFCVの利点を最大活用できるのが標準装備される「DC外部給電システム」です。これを使うためにはDC(直流)をAC(交流)に変換する「外部給電器(別売り)」が必要ですが、接続すれば住宅へ電気を供給することが可能になります。