はじめに
10代が投資するのは株、仮想通貨、FX、スニーカー投資…
また投資についても聞いたところ、「している」と回答したのは全体の8.3%。「していないが、したいと思う」という回答も含めると、投資に前向きな人は44.0%に上りました。
投資をしていると回答した人に、実際に何に投資しているのか聞いたところ、「株式」が最も多く、「仮想通貨」「FX」「投資資託」「スニーカー」の順に続きます。投資に関してはリスクの高い資産を選ぶ人が多いようです。
「学生の時点でおよそ半数もの方々が投資に前向きになっているのはとても良い傾向ですが、短期売買や仮想通貨、FXなどはあまりおすすめしません」と話すのは、親子向けの金融教育イベント「Geek養成塾」を運営する一般社団法人Nancyの代表理事・住田涼さん。
投資初心者の10代に、短期売買・仮想通貨・FXをおすすめしない理由
住田さんによると、投資は「プラスサム」「ゼロサム」「マイナスサム」の3つに分類することができるといいます。このサムは、Excelの関数として使われる「SUM」と同様、合計を意味します。
「投資に参加した全員の損益合計の平均が、投資額に対してプラスになるものを『プラスサム』。プラスマイナスゼロになるものを『ゼロサム』。マイナスになるものを『マイナスサム』と言います」。
具体的には、長期投資や買い物をすると貯まるポイントなどがプラスサムに該当するといいます。
一方、「ゼロサムは、機に乗じて短期間で利益を得ようとする投機を指します。具体的には、短期売買や仮想通貨、FXなどです。参加者の損益がプラマイゼロなので、“誰かが儲かった分と同じ分だけ、誰かが損している”ということになります(厳密には手数料や税金などの関係でマイナスサムという捉え方もできますが)。
つまり、投機目的でお金を儲けているデイトレーダーの利益は、それと同じ金額に及ぶ誰かの損失によって成り立っているわけです。百戦錬磨のプロがたくさんいる世界で素人が狙って勝ち続けていけるか? と考えるとあまりおすすめはしません」。
またマイナスサムは、宝くじやパチンコ、保険などが該当するといいます。「保険は意外に感じられた方も多いかもしれませんが、保険会社が大きく儲かっているということはそれだけ加入者が多くお金を払っているということです。保険に加入する際は、毎月支払う金額と、何かがあったときにもらえる金額を天秤にかけて考えるようにしましょう」。