はじめに

投信の組み入れ銘柄に投資のヒントが眠る

シンプレクスが運用する「PBR1倍割れ解消推進ETF」では、投資家から集めた資金を、PBRが1倍を割り込んでいる企業の中から、株価の水準訂正が期待できる銘柄を選んで投資します。ETFの純資産額は約151億円。投資信託としての規模は小さく、「このETFが買うから低PBRが解消される」というわけではありません。

ただ、この銘柄選定のプロが各企業のデータを精査した結果、購入、保有する銘柄を決めたわけなので、「PBRの水準訂正」という大きな相場テーマに沿って、どんな銘柄を買えばいいのかという疑問を解決するヒントが眠っていることは確かです。このETFの組み入れ銘柄は、シンプレクスのサイトから確認することができるので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、日本の株式市場全体で見ると、PBRが1倍を割り込んでいるのは1700銘柄超。上場銘柄の約4割が1倍割れとなっており、まだまだ東証の要請に応じることができていないのが現状です。PBRは相場全体の動向に大きく影響を受けるため、株式相場が大きく下がれば、1700銘柄からさらに数が増えることは間違いないでしょう。

東証の「PBRの改善」という要請に法的拘束力はなく、要請を受けた企業が直ちに行動を起こさなくても罰則を受けることはありません。ただ、東証は今後も同様の要請を続けると思われるため、企業側にも中長期的な経営努力が求められることになるでしょう。つまり、「低PBR株の水準訂正」は、今後も注目の相場テーマになる可能性が高いということです。

流行テーマが投信の新規ラインナップに反映

ここでは、「PBR1倍の解消」というテーマを取り上げましたが、ETFをはじめ、投資信託はその時々の人気テーマをベースに設定される傾向があるようです。それは、投信の販売会社が「顧客の利益」より「よく売れそうなもの」に力を入れるという、日本の金融業界の悪癖が影響していると言われています。その結果、ETFを含む投資信託の数が無制限に増えすぎてしまったと弊害が指摘されていますが、裏を返すと、「新規に設定された投信を見れば、その時々に株式市場で流行っているテーマがわかる」ということ。その投信が何を買っているのかをチェックすることで、どのような銘柄がそのテーマに沿っているのかを窺い知ることができるかもしれません。

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