はじめに

ライフプランは投資の「途中」でも必要

NISAやiDeCoなどの制度拡充により、投資を行う人が徐々に増えてきています。どんな方法で何に投資をするのか、投資金額はいくらにするのか、決めるべきことはたくさんあります。今できる金額からまず始めることも大事ですが、「ただなんとなく投資をしていればいい」というわけではないのです。

例えば投資をする目的が将来使うお金のためだとすれば、使う目的のために、いつまでに、いくら必要なのかを逆算して、投資内容を考えていくことが基本です。その判断の元となるのがライフプランです。

そして、制度や家計の状況が変われば、ご自身に適した投資内容も変わります。だからこそ、投資を始めるときだけではなく、変化のタイミングでもライフプランを活用しましょう。

新NISAが始まるタイミングでライフプランを作成した事例をご紹介します。

Bさんは老後資金を目的として、45歳の時につみたてNISA(2023年末で制度終了)で月3万円の積立投資を始めて1年が経ちました。

新NISAへ移行後もそのまま64歳まで20年間続けた場合、利回り3%で運用できたと想定すると、元本720万円、評価額約985万円となります。

その後、65歳~90歳までの期間、3%の利回りで運用を続けながら毎月取り崩していった場合、ひと月当たり約4.7万円引き出すことができます。

新NISAが始まったことで年間投資枠が360万円に増え、非課税期間も無期限となりました。それに伴い、ライフプランを元に投資プランの見直しを行いました。

子どもの教育費負担が増えるまでの5年間は毎月10万円積立し、その後は3万円に減額して64歳まで続け、利回り3%で運用できたと想定すると、元本は1,140万円、評価額約1,667万円、取崩し期間の引き出し額は約7.7万円に増えます。

あくまでシミュレーションではありますが、ご自身の資産形成の目的や、収支と貯蓄のバランスを元に投資プランを見直すことで、より効率的な方法を選択することができます。

また、増やした資産をどう活用するのか、資産を活用することでどんな効果があるのかをライフプランで具体的にイメージできると、投資を続けるモチベーションにも繋がります。

ライフプランは将来設計が「未定」でも必要

「今は独身で、この先どうなるかがわからない」「子どもがこれから生まれるかどうかもわからない状況で、ライフプランを作る必要性が感じられない」といった声を伺います。将来の不確定要素が多いと、せっかくライフプランを作っても無駄になるのではないか?と思われるのではないでしょうか。

ライフプランは今の暮らしをベースとして考えますが、将来どんなライフイベントがあるのか、現時点で想定できるパターンをいくつかシミュレーションすることも可能です。また、どんな暮らしをしていたとしても、生活費、住宅費、老後資金は必要です。最低限確保が必要な金額を洗い出し、優先して準備を進めましょう。

「わからない」というのは漠然とした不安感をもたらします。だからこそ、一旦ライフプランを仮決めして、「これは大丈夫」と安心できる状態にしておくと、不安感を減らせます。ライフプランが変化するのは当然です。変わるものだと思えば、仮決めすることへの抵抗感も減っていきます。

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