「どうせ私はひとりだし、亡くなったら火葬して、どこかに灰を撒いてくれればいい」と軽く考えている方もいるのではないでしょうか。実際、私の知人にもそのように話す人がいます。しかし、現実には亡くなった後の手続きは、決して簡単なものではありません。
例えば、火葬するだけでも「火葬許可証」が必要です。そのためには、故人が住民登録していた自治体に「死亡届」「死亡診断書」(または「死体検案書」)「火葬申請書」など、いくつもの書類を提出しなければなりません。
散骨は、法律で禁止されているわけではありませんが、どこにでも撒けるわけではなく、地域によっては条例で禁止されている場所もあります。
葬儀を行う場合には、葬儀会社の手配や僧侶の依頼など、多くの準備が必要です。葬儀が終わっても、公共料金や携帯電話の解約、医療費の未払い対応、遺品整理、相続手続きなど、さまざまな対応を誰かがしなければなりません。
簡単に考えてしまいがちですが、死後の手続きは本当に大変です。
亡くなった本人にとっては、関係のないことかもしれませんが、残された人たちにとっては大きな負担となります。だからこそ、生前に何が必要なのか、しっかりと考えておくことが大切なのです。