7月4日、東京・霞が関にある金融庁内の記者会見室は、いつになくざわついていました。この日の午後に開かれる予定の記者向けブリーフィングのタイトルが、かなりセンセーショナルなものだったからです。
「金融庁の改革について―国民のため、国益のために絶えず自己変革する組織へ―」
いったい金融庁は何を改革するというのか。異例の任期3年を務め、近く退任すると報じられた森信親長官と、何か関係があるのか――。報道陣はさまざまな想像をめぐらせていました。
しかし、実際に金融庁から公表された内容は、さまざまな意味で報道陣の想像を裏切るものでした。同庁が打ち出した改革の中身とは、どんなものだったのか。そして、このタイミングで公表した理由は何なのか。資料とブリーフィングの内容から、ひも解いてみます。