12月11日、産業用ロボットで世界シェア首位のファナックが、大幅な増配を検討しているということを日本経済新聞が報じました。期末配当として1株当たり500円を株主に還元することを検討している、という内容です。
同社はすでに、中間配当として1株当たり598円19銭を株主に還元しています。配当性向(=1株当たり配当÷1株当たり純利益)は実に141.9%という驚異的な高さです。前中間期の配当性向は60%で、それ自体もかなりの高水準でしたが、今期はその倍以上でした。
ファナックの通期での1株当たり純利益予想は、現時点で734円13銭。上期が421円45銭でしたから、下期は312円68銭。そこへ500円出すとすれば、下期の配当性向は160%になります。
会社側は報道当日の10時55分、この報道に対するコメントを出しましたが、その中身は「当社が発表したものではありません」「期末配当は現時点では決まっていません」というもの。つまり、積極的に否定をしていないのです。
一方で、配当に関する報道が出ると、通常であれば会社がよほど強く否定しない限り、株式市場は報道を信じて反応するものですが、今回は反応していません。なぜなのでしょうか。