「三陽商会」という社名を聞いたことがなくても、「バーバリー」というブランド名であれば、ほとんどの人が知っているのではないでしょうか。
同社は1965年からバーバリーのコートを輸入し、1970年に日本国内におけるバーバリーブランドの企画・製造・販売ライセンスを獲得。日本にバーバリーを浸透させた功労者といっても差し支えない会社です。
その三陽商会が今年3月に開いた株主総会で、ピンチに陥っていました。「配当を倍増せよ」という株主提案を、シンガポールのファンドが提出したからです。そして、このピンチを救ったのも、米国に籍を置く別のファンドでした。
いったい、なぜ三陽商会はこんな状況に陥ったのでしょうか。そして、株主総会を舞台にファンド同士が駆け引きを繰り広げた背景には、どんな事情があったのでしょうか。舞台裏を掘り下げてみます。