医学部の相次ぐ定員増や2016~2017年に医学部が2校も新規開設されたにもかかわらず、医師不足のニュースは相変わらず世間をにぎわしています。診療科別にみると、医師不足の筆頭に挙がるのが産婦人科ではないでしょうか。昭和時代には「病院で唯一『おめでとう』と言える科」「開業すればキツいが儲かる」として一定の人気があったのですが、「医療訴訟の多発」「当直の多さ」などから、近年のワークライフバランス重視ムードの中で志願者が急減しています。1994年から2016年で、医師総数は23万人から32万人まで39%増加しているのにもかかわらず、この期間に産婦人科医は6%減少しています。
今回は、地方の公立病院で常勤医師として働く産科医、津田先生のお財布と人生を覗いてみたいと思います
※本稿は特定の個人ではなく、筆者の周囲の医師への聞き取りをもとにしたモデルケースです。