今年も残すところ、2週間ほど。この1年、さまざまな経済事件が世間を騒がせましたが、夏以降に話題となったのが、他人の土地を利用して詐欺を働く「地面師」による犯罪です。積水ハウスやアパホテルなど不動産のプロがだまされたことから、多くのメディアで取り上げられました。
自分には縁がないニュースととらえた方も少なくないと思いますが、実はそうでもないのです。地面師グループのターゲットは数十億円規模の物件だけではありません。ごく普通の一戸建てでも、場所が良ければ数千万円クラスの物件もターゲットになっています。
近くにランドマークができて突然一等地になってしまったような場所や、再開発の対象になりそうな場所に実家がある。しかも、そこには年老いた親が1人で住んでいて、訪ねていく機会も多くない、あるいは空き家になっているとなると、格好のターゲットです。
気づかないうちに自分の、もしくは自分の親の不動産が勝手に売買されていたという話は、自分とは無縁の資産家だけの話ではないのです。年末年始の帰省を控えた方が多いこの時期に、地面師犯罪の実態を探ってみましょう。