平成の歴史が終わろうとしています。本連載では前回、元号の話題を紹介しました。過去の改元事例のうち、経済的理由を契機とする改元について探った内容でした。それに引き続き、今回も元号を取り上げたいと思います。テーマは「元号入りの日本史用語」です。
日本史用語のなかには、その名称に元号を含む語もありますよね。山川出版社が発行する『日本史用語集』に登場する範囲だけでも、天平文化や元禄文化などの「文化」に関する用語、大化の改新や明治維新などの「政変」に関する用語、明暦の大火などの「災害」に関する用語、大宝律令や明治憲法などの「法律」に関する用語、延暦寺や慶應大学などの「施設」の名称、寛政暦などの「暦」の名称、平治物語などの「著作」の名称など、実にさまざまな用語が登場するのです。歴史的な物事と元号とをセットで覚えられるところは、元号の貴重なメリットかもしれません。
そしてそんな元号入りの日本史用語のなかにも、もちろん「経済」関連の用語が存在するわけです。