ノーベル賞で急騰した「小野薬品」の株価が伸び悩んだワケ

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京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授が10月1日、ノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まりました。本庶氏は、人間の体を守る「免疫細胞」の働きにブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見しました。そのブレーキを取り除くことで、がん細胞を攻撃する「がん免疫療法」の開発につなげた功績が高く評価されました。

本庶特別教授らの研究チームが小野薬品工業と共同開発した免疫チェック阻害剤「オプジーボ」(免疫細胞の働きにブレーキをかけるのを阻む薬剤)は、がん治療に新しい切り口を開き、がん治療分野で出遅れていた日本の面目躍如となりました。

本庶氏の受賞を受けて、翌2日の東京株式市場で、小野薬品の株価は一時、前日比220円高の3,430円まで買われました。ところがその後、戻り売りが出て、終値は同98円高の3,308円となりました。株価の伸び悩みからは、日本の医薬品開発現場の苦悩が見て取れます。

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