「簿記」というと、狭義には「複式簿記」を指します。資格試験のために勉強するのは、こちらです。複式簿記とは何ぞや?と思ったら、この私、Rootport原作のマンガ『女騎士、経理になる。』を読んでいただけるとうれしいです。
一方、広義の「簿記」は、経済的な取引を記録する手法全般を指します。小学生のお小遣い帳や、みなさんが心を砕いている家計簿も、広義には簿記と呼べます。日本の政府や役所は集めた税金とその使い道を記録していますが、これも広義には簿記です。これらは「単式簿記」と呼ばれます。とにかく取引を帳簿に付けていれば、それは簿記なのです。
では、広義の「簿記」はいったいいつ頃生まれたのでしょう?
「簿記の歴史物語」を謳うなら、まずはここから話を始めなければなりません。ところが、簿記の成立史を追っていくと、文明誕生の時代までさかのぼってしまいます。