あらゆる商品やサービスに欠かせない名前。それを付ける行為(ネーミング)の目的は「商標としての名前を定める」という根本的なものだけではありません。
ネーミングには「名前を聞いただけで商品・サービスの具体的なイメージが思い浮かぶ」「聞いた人に強い印象を与え、記憶してもらう」という期待が込められています。なかには「宅急便(ヤマト運輸)」「ウォシュレット(TOTO)」のように、商品名・サービス名が一般名として使われるようになったケースもあります。
これは「名前の付け方で売上は大きく変わりうる」ことを意味します。この辺りは「広告に使うキャッチコピーの付け方」などに通じる部分もあるといっていいでしょう。
さて、「日清oillio」や「ホンダFIT」など一世を風靡する商品・サービスの命名に関わり、「名づけビジネスの第一人者」と呼ばれる岩永嘉弘氏は「商品のネーミングにあたって準備すべきこと」として次の5つを挙げています。
1.言葉の引き出しをいかにして増やすか?
2.辞書で言葉を探し、その意味を探る。予習は入念に。
3.ピンと来た言葉は辞書やネット検索でとことん掘り下げる。
4.時にことわざが巧妙なフレーズを引き連れてくれる。
5.伝える相手をいつも思い描き、ネーミングでの対話を試みよう。
本記事では、5か条のうち1・3・5にあたるノウハウを、岩永氏の著書『最強のネーミング』から抜粋してご紹介します。