はじめに

ホテルには様々なカテゴリーがあることは前回解説しました。

「ホテルの無料サービス」の活用術を取り上げたこの特集。前回はビジネスホテルを中心に紹介しましたが、今回はフルサービス型(レストランなどや宴会、婚礼といった多彩なサービスを提供するタイプ)のホテル、中でも外資系を代表とする高級ホテルの意外でお得なサービスを紹介します。※ここでいう無料サービスとは別途料金加算なしで利用できるサービス、または有料サービスとの対比表現を指します。


高級ホテルほど大きい「最高値と最安値」の差

図1

高級ホテルといえば“お金持ち御用達のホテル”というイメージでしょうか。確かに気軽には利用できないハードルの高さを感じます。高額な宿泊料金はいうまでもありませんが、一方で相応の質の高いサービスを享受できるのは魅力でしょう。

概して高い料金ではありますが、なるべく安価に体験したいということであれば、オフシーズンで料金の安い日を狙うのは定石。

一般論として料金が安い日=稼働率が低い日であり、曜日でいえば日曜日や月曜日は安くなる傾向があります。そして最高値と最安値の料金差は高級ホテルほど大きいといえます。

クラブフロアとは

図2

もし安いプランが見つけられたら、お得に予約できた分ちょっと上乗せして“ちょっとリッチな体験”をオススメします。このようなホテルでは、低層階がスタンダードで高層階になるほど客室グレードをアップするといった多層的なケースが多くみられます。

このようなホテルのアッパーフロアで見かけるワードが「クラブフロア」や「エグゼクティブフロア」。このエリアに宿泊するゲストのみが立ち入ることができる“サンクチュアリ(聖域)”ともいえる空間です。

客室そのもののしつらえや調度品、眺望など一般の客室とはワンランク上というのは当然として、注目すべきは提供されるサービスの多彩さ。まずチェックイン手続きから違います。

フロントで列に並ばずとも、クラブフロア予約者専用のデスクが設けられスムーズなチェックインが可能。また、プール、ジムといったヘルスクラブ等の無料利用など特別なサービスが提供されます。何よりの魅力は“ラウンジのアクセス権”でしょう。高級ホテルとクラブラウンジとは切っても切り離せません。クラブラウンジのないホテルは高級ホテルではないといえるほどです。

加算料金の価値は十分にある

図3

ラウンジでは、アフタヌーンティータイムにコーヒー・紅茶にデザートが、パブタイムではビールやワインにシャンパンなどアルコール各種、オードブルも用意されます。また、充実の朝食も付いています。

これらは全て宿泊料金に含まれ“無料”なのです。何よりゆったりしたソファやテーブルが並び、専門のスタッフも配される贅沢スペースです。さぞかし高いのだろうと思いきや、スタンダードな客室の宿泊料金に1万円~程度の加算というホテルもみかけます。

例えば1室2名利用のルームチャージ2万5千円であれば3万5千円~といったイメージ。もちろんホテルによりまちまちで、もっと加算が必要なケースもありますが“クラブフロア宿泊プラン”等、かなりお得なクラブフロア利用プランを提供するホテルもあります(ホテルチェーンの上級会員が利用できるケースもありますがここでは割愛します)。

図4

この1万円~の加算を高いと思うか安いと思うかは、個々人の価値基準があることは言うまでもありませんが、筆者個人としては決して高くはないという印象です。

たとえば、ホテルでアフタヌーンティーを楽しめば、ひとり3000円くらいでしょうか。ダイニングでオーダーするシャンパンなら1杯2000円くらいはするでしょう。シャンパン2~3杯に料理2~3品を注文しサービス料も支払えば1万円なんてあっという間。一方のクラブラウンジならば“フリーフロー”です。つまり飲み物や食べ物はお代わり自由(もちろん洗練された雰囲気でもあり節度ある利用は当然のマナーであることは言うまでもありません)。

翌朝のラウンジ朝食も2000円以上の価値はあるでしょう。ジムやプールの利用も本来なら3000円はかかるでしょうか。このように、クラブフロアのゲストが無料で利用できるサービスの対価を合計すれば1万円はゆうに超えます。加えてハイグレードな客室、何より上客扱いされるのは気分が良いものです。

筆者の場合、執筆などでホテルに籠もることが多いので、特にワーキングスペースがあるクラブラウンジは有効活用しています。混雑することはあまりなく(時間帯や稼働によっては混むことも)、客室でのデスクワークに飽きたら仕事を持ち込んでの気分転換も良いものです。

ここで筆者が最近出向いた中から3つのラウンジを紹介します。

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