はじめに
イタリア人があまり車を大切にしない理由
イタリアでは、日本ほど車を大切にしないというのもよく聞く話です。それっていったい、どういうことなのでしょうか。
路上駐車が基本のイタリアは、実は盗難が非常に多いことでも有名です。車の中にカバンを残して離れると、ガラスを割って盗まれるというのはよく聞く話。車を離れる場合は、たとえ貴重品でなくても必ず荷物はすべて持っていくか、そうでなければトランクなど外から見えない場所にしまいます。
犯人は中に残されている荷物が貴重品かどうか判断できません。カバンが残されていれば、とりあえずガラスを割って盗むという発想になるため、それを抑止するためにも荷物は車内に残さないのが鉄則なのです。
また、時にはカーナビやステレオ、車そのものがターゲットになることもあります。車ごと盗まれるのは高級車だけと考える人もいるかもしれませんが、パーツ取りを目的とした盗難も多いため、大衆車でも人気の高い車は注意が必要です。
イタリア人のキズに対する感覚はかなりルーズ、中にはこんな状態で走っている車も
こうした事情があることを考えると、車を大切にする意識はだんだんと希薄になっていきます。路上駐車しているからいつ誰にぶつけられるかわからないし、車そのものが盗まれたり、ガラスを割られる可能性もあります。そうなると、常に車をピカピカにしてもなあ……と考えるのが正直なところです。
そもそも外で使うものだから多少のキズは当たり前で、コツンとぶつけられても気にしないし、わざわざ修理もしない。日本とは大きく違う感覚に最初は戸惑いますが、車の管理という意味では気楽さがあるのもまた事実です。