はじめに
クオリティアップした室内
インテリアに関しても後述する新しいインフォテインメントシステムやデジタルコックピットが話題となっていますが、ドアを開けて着座すると横方向への拡がりを感じながら適度に包まれているような安心感があります。これは運転席だけでなく助手席に座っても同様で、人が触れる部分も含め細部にわたる質感が向上している点も大きな魅力と言えます。
驚いたのはシートの作りの良さ。電動調整機能も搭載しています
また後席に関しても十分な空間と共にリクライニング機構付きのシートを操作すればさらに快適性は向上します。これはいいな、と感じたのがこのリクライニングシートのレバーがシート両側のスペースに精緻に配置されている点です。少し分かりづらいかもしれませんが、リクライニングレバーはコスト低減に使われることがあり、シートの中に「引っ張る紐」のように埋まっていたり、レバーがあったとしても非常に操作がしづらいものです。
しかしレヴォーグは着座を邪魔することなく、スッと手を動かした脇に引きやすい形状のレバーを搭載しています。こういう部分こそ、スバルがこれまでステーションワゴンで培ってきたノウハウが生かされていると感じました。大げさな言い方ですが、ここだけ見ても新型レヴォーグは素晴らしいと感じるくらい「気が利いている」のです。
圧倒的な荷室スペース
ステーションワゴンと言えばやはり荷物の積載量がポイントとなります。前モデルも圧倒的とも言える積載量が自慢でしたが、新型はさらにスペースを拡大、特にリアゲートの開口幅や開口高を拡大することで使い勝手も向上しています。
またフロアの下にもサブトランク、いわゆる“床下収納”が採用されていますが、この容量も従来より+29Lの69Lと大容量化することで普段あまり見せたくない荷物などの収納にも便利、トータルの収納量は561L(前モデルより+39L)となり、これは大型トランクケースを4個、またはゴルフバッグ4個が積載可能。SUVに負けない機能性に優れるスペースを確立しました。
新型「アイサイトX」の知能化に驚く
スバル「アイサイト」、テレビCMなどで「ぶつからないクルマ」のコピーでもおなじみの先進技術の総称です。
今回大きく進化した「アイサイトX」を実際発売前に試すことができました。茨城県にあるJARI(日本自動車研究所)の城里テストコース内にある外周路に設定されたプログラムを体験するものです。
アイサイトはフロントガラス周辺に設置されたステレオカメラを使って物体を検知しますが、ベースとなるアイサイト自体も広角化した新型ステレオカメラや左右速報に配置されたレーダーを併用することで対向車や自転車、歩行者なども検知、さらにカメラで見えない死角もレーダーにより検知することでプリクラッシュブレーキを作動させます。
そして進化したアイサイトをさらにレベルアップしたのが今回最大の注目ポイントである「アイサイトX」です。
これには準天頂衛星“みちびき”を使った高精度GPSにプラスしてこれからの自動運転時代に絶対必要となる3D高精度地図データを組み合わせています。
これにより渋滞時にはステアリングから手を離してもクルマを追従する「渋滞時ハンズオフアシスト」や「渋滞時発進アシスト」、またウインカー操作に応じて車線変更を行う「アクティブレーンチェンジアシスト」、さらに驚いたのがカーブ前の速度制御だけでなく、高速道路の料金所前で速度を制御する機能まで組み込んだことです。