はじめに

近年、ビジネスホテル(宿泊特化型ホテル)が多様化してきたことは周知のとおりですが、もはやビジネスホテルというワードがマッチしないイメージの進化もみられる業態です。他方、コロナ禍の稼働率低迷にあってその軒数の多さから競争の激化も深刻です。

そのような中で、コロナ禍からGoToトラベルと環境が激変した業界にあって、これまでの常識が通用しない新たなトライも見られました。特色あるホテルを紹介する本連載ですが、今回はお得感の追求例という点から、注目の有名ダイニングとコラボしたビジネスホテルを取り上げます。

※本記事は、現在発出されている緊急事態宣言以前に取材した内容です。実際の利用に際しては公式サイト等で最新情報をアップデートいただくようお願いします。


GoTo下で誕生、ビジネスホテルの「ディナー付きプラン」

1hotel MONday浅草

ビジネスホテルは宿泊に特化したホテルと定義づけられ、業界では宿泊特化型ホテルといわれています。宿泊に特化するだけに、朝食会場はあるものの、基本的に料飲サービスは提供しないスタイルであり、もちろんダイニングレストランのない業態。客室面積や限定的な施設なども特徴でリーズナブルな利用ができるホテルとして支持されてきました。

一方、昨秋様々な物議を醸し出したGoToトラベル下において、辛酸を嘗めさせられてきたのもビジネスホテルでした。GoToトラベルにおいては、そのシステムから高額な宿を利用するとよりお得(利得幅が大きい)ということで、1泊2食付きというような高級宿やラグジュアリーホテルに人気が集中し、ビジネスホテルはほとんどフォーカスされませんでした。

そんな宿泊特化型ホテルでしたが、GoTo下では宿泊はもちろん、滞在中の食事や観光体験の総額が割引対象となる点に着目、宿泊特化型ホテルならではの安価な宿泊料金+ホテル周辺の高級店でお得なディナーをコラボしようというプランも打ち出すホテルが際立ちました。そのようなホテルブランドのひとつとして上げられるのが「hotel MONday」。近年のインバウンド需要にマッチして人気を博し、東京・京都を中心に多店舗展開する気鋭の宿泊特化型ホテルブランドです。

2 hotel MONday 京都烏丸二条

ゆえに、随所にインバウンドを意識した造りが見られますが、インバウンド皆無の現況という中にあって、日本人でも非日常感あるステイが愉しめると、特に家族など複数人数で連泊するゲストが目立ちました。とはいえ、冒頭に書いたように宿泊特化型ホテル激増にあって、存在感を打ち出すのは並大抵のことではありません。

特にGoTo下にあって高級ホテルとのカテゴリー合戦ともいえる様相を呈していた中、生き残りへのトライに懸命というのが実情でした。そこでhotel MONdayが打ち出したのが、“ホテル近隣の高級ダイニングとのコラボ”というビジネスホテルらしからぬアイディアでした。

今回は“牛肉”にフォーカスしたコラボをレポートします。宿泊以外の体験価値という点では、対象のダイニングが好みということならば、宿泊をリーズナブルに贅沢ダイニングもお得に体験というのは、食いしん坊のハートをグッと掴まるはずです。

食費や光熱費の節約以外にできることは? 無料FP相談で家計を見直しましょう[by MoneyForward]