はじめに
金利上昇局面でも安定収益を得たい方に注目されているのが、少額から始められる高配当株です。今回は「20万円以内で購入できる」「配当利回り3.5〜9%」の好利回り銘柄を8つ厳選しました。高市政権による積極財政方針など、株価上昇への期待が高まる今こそ、“持っているだけで稼ぐ”ポートフォリオ構築を検討しましょう。
高市政権による積極財政方針で株高期待
今週は21日に自民党の高市総裁が衆参両院の本会議で第104代首相に指名され、憲政史上初の女性首相が誕生、と歴史に残る1週間となりました。
高市政権の政策方針には「積極財政」「金融緩和継続」「成長分野の重点支援」などが掲げられています。こうした政策期待から株価上昇余地が生まれやすく、現在割安感のある株(高利回り株を含む)も再評価される可能性があります。
一方で、来週29〜30日に控える日銀金融政策決定会合では、追加利上げの可能性も示唆されています。植田日銀総裁のもとで3度の利上げがありましたが、依然として日本株式市場では低金利・政策金利長期低位という状況が長らく続き、預金金利が物価に追いつかない“インフレ負け”が継続しています。
厚生労働省が26日発表した7月の「毎月勤労統計調査(確報値、従業員5人以上)」によれば、実質賃金は前年同月比で0.2%減と、7カ月連続のマイナスでした。
こうした環境では、預貯金だけでは資産が実質的に目減りしていくという見方から、高市政権の積極財政による株高期待とインフレ環境を踏まえると、資産を守るために投資を検討する必要はより一層増してきていると言えるのではないでしょうか。
株式投資では「安定収益」が鍵
とはいえ株式投資において、キャピタル・ゲイン(株価上昇益)だけに頼るのは難しく、特に初心者や少額投資家にとっては、株価変動を気にしながら資金を寝かせておくのは心理的・実務的にストレスになる場合もあります。
そこで注目されるのが、保有するだけで安定して利益を得られる「インカムゲイン(配当・優待収入)」です。
日本企業では近年、「株主還元の強化」「配当性向の引き上げ」「自社株買い拡大」といった動きが顕著になっています。こうした流れを前提にすれば、「株主還元が維持される限り、長期保有によるインカム戦略」の土台を作ることができます。
高利回りの目安はおおむね3.5%~4%以上
配当収入が期待できる銘柄を含めることで、「株価が多少停滞しても配当での収益を確保しつつ」「株価回復・成長も狙う」という二本柱の戦略が可能となります。
専門メディアでは「配当利回りランキング」や「高配当かつ少額で買える株」などが定期的に紹介されており、日本株における高配当銘柄に対する市場の関心が高いことがうかがえます。
高利回りの目安はおおむね3.5%~4%以上。たとえば配当利回りが4%の株に100万円投資すれば、年間4万円前後の配当が得られます。銀行預金が年利0.001〜0.002%の水準にある環境下では魅力的です。
少額の20万円以内で購入できる銘柄
とはいえ、最低投資金額が高いとハードルが高いと感じる人も多いでしょう。その点、最低投資資金額の20万円以内で購入できる銘柄は、ボーナスなどを活用しても買いやすく、NISA投資にも最適です。
高利回り銘柄を選べば、収益構造として“利回り”を活かすポジションを取ることになります。
また「複数銘柄への分散」を意識すれば、特定銘柄のリスクをある程度抑えながら「配当ポートフォリオ」を構築することも可能です。
利回りだけで判断せず、割安性の見極めもポイント
高利回りを目的に銘柄選びをする上で最も重要なのは「利回りだけに注目しない」ことです。
利回りが5%を超えていても、業績が赤字、減益、借入増加などの要因があれば、配当の持続性が低下します。
したがって、増配実績や財務健全性をチェックするのもよいでしょう。連続増配や安定的な配当実績がある企業は信頼度が高く、長期保有にも向きます。
また、配当を無理なく払う余力があるか(キャッシュフローや自己資本比率)、収益構造が持続的かも併せてチェックしましょう。
さらに、割安性の観点も併用しましょう。高利回り銘柄=割安ではありませんが、、PBRやPER、株価水準が市場平均を下回っている、あるいは改善余地がある企業……という観点も加えると、より厚みのある検討になります。
また、業績が悪化し配当が縮小した場合に備えて、売却・再投資の戦略をあらかじめ想定しておくことが重要です。